VRを手軽に楽しめる媒体として有力なのは、やっぱりどうしてもスマホということになると思います。
しかしパソコンもまだまだ、VRを見るときの選択肢としては十分に候補に挙がることでしょう。
むしろ「パソコンでしか体験できないVR」も増えてきているので、今だからこそVRをパソコンで見ることをおすすめしたいです。
簡単な手順とパソコンならではのメリットをチェックして、今日からVRでの遊びをパソコンにシフトしてみてはいかがでしょうか。
おすすめのVRコンテンツも合わせて見ていくので、スマホでのVR体験に飽きてきた人には必見です。
VRをパソコンで見るときの手順
流れは非常に簡単!
パソコンで見るVR、そう聞くと何となく「難しそう……」と身構えられるかもしれませんが、始めるまでの流れはとっても簡単です。
まずは共通の手順を以下からチェックして、VRのためのセットアップをスタートさせていきましょう。
①見たいVRコンテンツを決める
どんなVR機器が必要なのか、パソコンのスペックは足りているだろうか、そういったことを確かめるためにも、まずは自分が見たいVRコンテンツを決めましょう。
VRの配信サイトやそこで楽しめる内容によって要求スペックは変わってくるので、今のままの環境でOKということもあれば、何かしら別の機器を購入することが求められる可能性もあります。
どんなVRが見たいのか、どういった体験をVRでしたいのかを改めて確認し、目標とする着地地点を見定めておきましょう。
②対応しているHMDをチェック
パソコンでVRを本格体験するには、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の存在が欠かせません。
既に所有している場合は気になったVRコンテンツに対応しているのかをチェックし、利用を開始していきましょう。
接続は機種ごとのマニュアル、もしくはVRコンテンツのサイト内(よくある質問など)に記載があるはずなので、1つ1つチェックすればOK。
もしまだHMDを所有していない場合は、この機会を購入のきっかけにするのもありですね。
③ソフトや動画のインストール
上記の点をクリアしたら、VRを見るための環境をパソコンに作成していきましょう。
VRコンテンツが提供している専用ソフトや動画をインストールするのが、一般的な準備となります。
ほとんどのVRコンテンツがパソコン用のソフトを配信しているので、1度インストールしてしまえばその後もスムーズに利用可能です。
スマホでアプリを使う感覚と変わらないため、パソコンに特別詳しい必要はまったくありませんね。
どうせならHMDを使おう
上記の手順のうち、②HMDの部分については飛ばすことも可能(利用するVRコンテンツによりますが)です。
今はマウスだけで動画内を360度見わたすことができるので、パソコンだけで擬似的なVRを体験することは簡単となっています。
しかし当然ながら没入感や面白さはまったく違ってくるので、できるならHMDの準備をおすすめしたいです。
特に現在の主流である以下のようなHMDは、パソコンでVRを見る際にはとても役に立つでしょう。
Acer Windows Mixed Reality
Windowsストアからさまざまなアプリを利用できる魅力的なHMD。
パソコンとの簡単接続だけで楽しめて、かつ値段も安いのでおすすめの機種となっています。
Oculus Rift
VR関係ではお馴染みとなっているOculusのHMD。
数々のVRゲームや動画に対応できるスペックなので、長く使い続けることも可能です。
Dell Visor with Controllers VRP100
高いリフレッシュレートと高性能センサーなどが特徴。
アクションゲームなどを楽しむときにはうってつけのHMDですね。
Bestface ヘッドマウントディスプレイ
Nibiru systemや専用のアプリケーションが魅力的なHMD。
こちらも安価な商品であるため、最初のVR環境としておすすめできます。
VIVE HMD VRヘッドマウントディスプレイ HTC VIVE
言わずと知れた高性能HMDの代表格。
今後発展していくであろうVRのシステムを考慮すると、要チェックの商品となるでしょう。
他にもいろいろありますが、例えば上記のようなものを参考に専用のHMDを手に入れて、パソコンでVRを楽しむための環境を充実させていくのがおすすめです。
パソコンのスペックは高くないとダメ?
「VRコンテンツでは要求されるパソコンのスペックが高くなるのでは?」という疑問は当然あるでしょうが、「絶対に高スペックパソコンでないとダメ」ということはありません。
簡単なVR動画や負荷の少ないゲームであれば、一般的なノートパソコンでも問題なくVR動画を楽しむことはできます。
しかし当然最低スペックというものはあり、それを満たさないパソコンの場合は快適な視聴が難しくなることは考えられるでしょう。
必要な最低スペックはVRコンテンツの配信サイトと使用するHMDの両方が公表しているので、事前に確認しておくことが鉄則です。
特にHMDが求めるスペックは、しっかりとクリアしていくことが必要となります。
パソコンで楽しめるVRコンテンツ
Steam
世界規模で展開しているゲームの配信サービス「Steam」は、パソコンでVRを楽しむときに最もおすすめしておきたいものとなっています。
豊富なVRゲームが配信されていて、インストールから実際のプレイまでもが非常に簡単。
ゲームを動かすのに必要な最低スペックも表示されているおかげで、「買ってからまともにプレイできなかった」という失敗を防げますね。
またSteamでは、利用したいHMDからゲームを検索できるというとっても便利な機能が備わっているのも魅力。
所有しているHMDがHTC Vive、Oculus Rift、Windows Mixed Realityであるなら、固有のタグ検索から対応しているゲームを簡単に見つけ出すことができますよ。
海外のコンテンツであるため洋ゲーが多いのかと思いきや、意外と国産のVRゲームも充実しているようです。
まずは馴染みのある国内ゲームから堪能し、徐々に海外に手を広げていけば、SteamのVRゲームを余すことなく楽しみつくすことができるでしょう。
YouTube
既に生活の一部となっている「YouTube」も、VRコンテンツとしておすすめできます。
専用のチャンネルでは世界中のVR動画が閲覧可能となっているので、パソコンでVRを見るときにはぜひチェックしておきましょう。
チャンネル内の動画数はかなりの数にのぼり、そのジャンルもかなり広いです。
時間を制限しないと、どんどんのめり込んでしまうかもしれませんね。
何か新しいプレイヤーを準備する必要もなく、ただ普通の動画を見る感覚で楽しめるのもポイント。
HMDを装着して動画を選択すれば、それだけでVRの世界をパソコンで覗くことができますよ。
とにかく手軽、そして難しくてややこしい準備が不要な点がYouTubeの魅力です。
利用の面倒さがVRの問題点とはよく言われますが、YouTubeにはそんなデメリットを打ち消すほどの使いやすさがあります。
パソコンでVRの良さを本格的に知るときには、まずYouTubeのVRチャンネルを利用してみるのがおすすめです。
DMM.com
国内の大手サービス「DMM.com」でも、さまざまなVR動画が配信されています。
アイドル、エンタメ、ホラー、アニメなど多種多様なコンテンツがあり、そのどれもがパソコンからの簡単視聴が可能です。
DMMの専用VRプレイヤーをインストールしてアカウントを登録、あとは購入した商品を選択するだけでOK。
それぞれのジャンルに特化したVR映像を、HMDいっぱいに広げて楽しんでしまいましょう。
作品ごとにWindows MR、Oculus Rift、HTC Viveを利用可能かどうかがわかり、ダウンロードに必要な容量の目安もチェックできます。
レビュー機能によって内容の詳細も把握しやすいので、色々なVR動画を試してみたくなりますね。
昆虫のサイズになってカブトムシやクワガタを観察できる「巨大昆虫の世界」や、有名イラストレーター中村佑介さんのイラストを360度楽しめる「Birth YUSUKE NAKAMURA VR」など、探していくと面白い動画がたくさん出てきます。
他にもお笑い芸人やアイドルと接近できるVRも人気となっているため、DMMをきっかけに誰かのファンになることがあるかもしれませんよ。
360channel
VR動画に特化したサービスとして展開している「360channel」も、パソコンで見れるコンテンツの1つです。
映画、バラエティ、音楽、スポーツ、観光といった多彩なジャンルに加えて、さらにリアルタイムでのLIVE配信も行っているため、VRをメインに楽しみたいのならおすすめできます。
無料で見れるものもたくさんあり、新着や急上昇、チャンネル登録などからさまざまな動画をチェックすることが可能です。
気に入ったVR動画は購入・レンタルもできるので、「いつでも見たい!」というものがあればコレクションしていくこともできるでしょう。
360channelではWindows Mixed Reality、PSVR、Oculus Rift、Gear VR、その他簡易HMD(スマホを使うタイプ)の利用方法が掲載済みです。
丁寧に解説がされているので、お手持ちのHMDから簡単にアクセスできますね。
パソコンでVRを見るメリットとは
高いクオリティが楽しめる
スマホを主体としたVRコンテンツは、その簡易性を活かすためにある程度クオリティが制限されているように思えます。
一方パソコンで閲覧できるVRコンテンツにはそういった制限が少なく、簡易的なものから高クオリティのものまでそろえられているのです。
特に高いクオリティを持つ動画やゲームはどんどん増えてきているので、そういったVRの技術力を体験できるのがパソコンのメリットだといえるでしょう。
映像美や操作性といった面はかなりすごいことになってきていて、昔のものとは没入感が圧倒的に違ってきていますね。
しかもそれが発展途上という点も魅力であり、将来性には嫌でも期待したくなってしまうでしょう。
VRChatなどの高クオリティパソコンゲームがどのように進化していくのか、VR動画はどういった見せ方を採用していくのか、そういったことにぜひ今後も注目していくのがおすすめです。
利用方法が今後も広がっていく
今のところVRといえば、動画やゲームを楽しむことが一般的な利用方法となっています。
しかし今後パソコンを使ったVRは、その幅をさらに広げていく可能性があるのです。
VRを使って遠くにいる人とコミュニケーションを取る「VR会議」や、VRによるリアルタイムでのスポーツ観戦などは、その代表例となるでしょう。
パソコンのスペックを活かしたこれらのコンテンツは、単純なエンターテイメントの枠に留まらず、新しい仕事や生活スタイルにまで影響していきます。
つまりは「自宅にパソコンのためのVR環境が整っていなければできないこと」が、今後増えていくかもしれないのです。
最先端の技術やシステムを利用できるという点が、パソコンでVRを見る大きなメリットになっていくでしょう。
ずっと使いたくなる面白さ
VRを使ってみた結果、「あんまりハマれなかった」「1度見ていいやと思った」という感想を持つ人は多いです。
でもそれは、スマホ専用の簡単なVRだけを体験している人にありがちな感想なのではないでしょうか。
スマホVRの多くは、「手軽さ」という点に重きを置いています。
つまりは「VRとは何なのか」といった基本を教える立場にあるため、目を瞠るような技術や驚きのアイデアなどは控えめになっていることが多いのです。
そんな基本ばかりを反復していれば、当然そこに面白さを見出すことは難しくなるでしょう。
その点パソコンで見れるVRには、面白さや驚きを重視したコンテンツがたくさんあります。
ユーザーを飽きさせない作品がそろっているので、意欲さえあればずっと使いたくなるような環境となっているのです。
スマホVRで1度止めてしまった人も、ぜひパソコンのVRは体験してみていただきたいです。
ずっと使い続けたくなるような面白さと、改めて出会えるかもしれませんよ。
それとパソコンのVR環境をそろえるにはやや費用がかかるため、後に引けなくなるという点もずっと使う理由になるかもしれませんね。
パソコンでもスマホでもない新しい選択肢
Oculus Goの今後にも注目
実は2018年、Oculusはパソコンもスマホも必要ないスタンドアローン機器「Oculus Go」を発売しました。
初回のセットアップにこそスマホを使いますが、その後はOculus Go単体でVRを楽しめるという点が、今話題となっているのです。
パソコン用のHMDほどのスペックはないものの、スマホを使ったVR機器よりはずっと高いクオリティを発揮できることから、今後はOculus Goのようなスタイルが1つのスタンダードになっていくかもしれません。
専用のアプリを専用のコントローラーで動かすことができるため、VR専用のデバイスとして非常に魅力的なOculus Go。
VRをパソコンで見ることに興味があるけれど、環境をそろえるほどの余裕がないときなどは、Oculus Goも選択肢に挙がることになるでしょう。
まとめ
パソコンで見るVRには、それ特有のメリットや面白さが備わっています。
自宅の環境を変えていく理由には、十分になり得ることでしょう。
VRの進化を本当に味わうには、やはりパソコンを使うことが1番の近道です。
この機に1つ、VRのためのパソコン環境を考えてみてはいかがですか。