関西エリアのツーリングの魅力は、海の楽しみ山の楽しみ、そして史跡めぐりの楽しみが、実にバランスよくミックスされていることです。
バイクで走ることはもちろん、各地のグルメや温泉、観光など、バイクを降りても楽しめる関西は、五感を駆使して旅を味わうツーリングにうってつけの場所と言えます。
そんな、魅力溢れる関西エリアの、おすすめツーリングスポット10選を紹介します。
- 関西屈指の絶景ワインディングロード 高野龍神スカイライン
- 日本最大の湖をバイクで駆け抜ける 琵琶湖一周ツーリング
- あえて原付バイク行きたい場所 日本三景天橋立
- ここから日本が生まれた国生みの地 淡路島ツーリング
- 陽光眩しい南紀の海の道 国道42号線はハイライトの波状攻撃
- 目指せ本州最南端 潮岬・紀伊大島
- 鳥羽と志摩を結ぶ爽快ワインディング パールロード
- 天空のドライブウェイ 伊勢志摩スカイライン
- 神秘の湖と若狭湾を望む道 三方五湖レインボーライン
- もはやネタでしかない?想像を絶する急坂の酷道 暗峠(くらがりとうげ)
- 【絶景・温泉・グルメ】関西ツーリングのおすすめスポット10選 まとめ
関西屈指の絶景ワインディングロード 高野龍神スカイライン
高野龍神スカイラインは、和歌山県が世界に誇る宗教都市「世界遺産高野山」の高野町と、日本三大美人の湯として有名な、龍神温泉を有する田辺市の龍神村をつなぐ、全長42.7kmの絶景ワインディングロードです。
2003年までは有料道路でしたが、現在は国道371号として無料解放されています。
紀伊の深い山々の稜線を貫くタイトなワイディングは、その全長の長さも相まって、走りごたえ抜群、愛車と至福のライディングが味わえます。
そのため、休日ともなると、県内外から多くのライダーが訪れ、スカイラインの中ほどにある休憩スポット「ごまさんスカイタワー」の駐車場は、まるでバイクの展覧会のようになっています。
走りの楽しさもさることながら、高野山の史跡めぐりや龍神温泉など、バイクを降りても楽しめる場所であり、関西屈指のツーリングスポットとして、申し分ないポテンシャルを秘めています。
新緑の時期の気持ち良さはもちろん、秋の紅葉もまた素晴らしく、何度走っても飽きない道ですが、行楽シーズンの休日の渋滞だけは要注意です。
日本最大の湖をバイクで駆け抜ける 琵琶湖一周ツーリング
滋賀県にある日本最大の湖の琵琶湖は、関西圏のメジャーなツーリングスポットの一つです。
湖と聞くと、バイクで一周したくなるのがライダーのサガというもので、休日には多くのライダーが琵琶湖一周ツーリングを楽しんでいます。
そんな琵琶湖ツーリングの走りどころのハイライトは、琵琶湖の西海岸の湖畔を貫く「さざなみ街道」で、琵琶湖の美しい風景を眺めながら、愛車と気持ちのよい湖畔ライディングが楽しめます。
また、琵琶湖の西側にある「メタセコイヤ並木」は、まるでバイク雑誌の表紙のような写真が撮れる、ライダーの定番撮影スポットになっています。
ゆるキャラブームの火付け役「ひこにゃん」で有名な彦根城や、豊臣秀吉のゆかりの町「長浜」での町歩きなど、バイクを降りて楽しめるスポットも満載で、さすがはバイクを降りても楽しめる関西圏のツーリングスポットと言えます。
最後に一つ余談ですが、レッドバロンでバイクを買ったライダーは「カイザーベルク琵琶湖」という、レッドバロン会員だけが入れる施設で、のんびり湖畔カフェを楽しむことができます。
あえて原付バイク行きたい場所 日本三景天橋立
宮城県の「松島」、広島県の「宮島」と並ぶ日本三景の天橋立は、京都府の宮津市にある別名「海の京都」と言われる場所です。
丹後半島の付け根に位置する天橋立は、丹後半島ツーリングを楽しむライダーの起点でもあり終点でもあります。
丹後半島を1周できる国道178号線は、まるで南国のような綺麗な海が続く、爽快なシーサイドクルージングを楽しむことが出来るので、天橋立周辺は海好きライダーには堪らないエリアになっています。
さらに、125cc以下の原付2種までのバイクは、そのまま天橋立の中を走ることができるので、丹後半島周辺は原付バイクでツーリングをしているライダーも目立ちます。
また、天橋立といえば、海と空が逆になり、その名前の通り天に架かる浮き橋のように見えるという「股のぞき」が有名ですが、股覗きスポットのいくつかの場所は、急斜面の砂利道を超える必要があるので、特にオンロードバイクのライダーは注意が必要です。
天橋立から少し足を伸ばせば、海沿いに船着場を備える家「舟屋」の情緒あふれる風景が望める「伊根の舟屋」の景色を楽しむこともできます。
ここから日本が生まれた国生みの地 淡路島ツーリング
兵庫県に属する淡路島は、数ある瀬戸内海の島の中で最大の島です。
太古の昔、イザナギとイザナミが作ったとされる淡路島は、日本の中で一番はじめに作られた島と言われており、ここから日本が作られた「国生みの島」と呼ばれています。
その淡路島へのバイクでのアクセスは、兵庫側は明石市からの「明石海峡大橋」、または四国の徳島側から「大鳴門橋」を渡ることになります。
両者は高速道路の一部ですが、通常料金とETC料金にかなりの開きがあるので、ETCを装備していないライダーは、若干割高になってしまうのが痛いところです。
また125cc以下のバイクは、高速道路を走ることが出来ないのですが、淡路ジェノバラインというフェリーを使うことで、愛車と淡路島へ渡ることが可能です。ただし、反対の徳島側には渡れないことだけは要注意です。
淡路島はバイクで海岸線沿いを一周することが可能で、生さわら丼や淡路バーガーなどのご当地料理、あわじ花さじきなどの観光地巡りなど、多種多様なツーリングの楽しみが詰まっています。
特に南淡路水仙ラインは、断崖絶壁の山側と、淡路島の綺麗な海を同時に眺めることができる、絶景ツーリングコースとしてオススメの道です。
また、明石海峡大橋の麓の道の駅あわじ、大鳴門橋が望める道の駅うずしおでは、非日常を感じる巨大な橋と海のダイナミックな風景を楽しむことができます。
陽光眩しい南紀の海の道 国道42号線はハイライトの波状攻撃
和歌山県の紀伊半島周遊道路、国道42号線は多くのバイク雑誌に掲載されている、南紀エリアの中心的なツーリングコースです。
和歌市から国道42号線を走り始めると、日本のエーゲ海と呼ばれている白崎海岸の真っ白な石灰石の日本離れした風景が、まずはライダーをお出迎えしてくれます。その後は和歌山県の屈指のリゾート地、白い砂浜が印象的な白浜温泉エリアにたどり着きます。
ここでは、兵庫の有馬温泉、愛媛県の道後温泉と並ぶ日本三代古湯の「崎の湯」をぜひ堪能しましょう。海沿いギリギリというよりは、ほぼ海の中にあるワイルドな温泉です。
その後、国道42号線は本州最南端の潮岬を目指して、絶景のハイライトを迎えます。陽光眩しい南紀の海を眺めながら、適度な高速コーナーが続く文字通りライディングハイが味わえる区間です。
潮岬を抜けた後は、マグロで有名な那智勝浦の町でマグロ丼を食べ、世界遺産の日本三大瀑布の那智の滝、同じく世界遺産の那智本宮大社を経て、最終的には伊勢神宮方面へと抜けていきます。
紀伊の国の海の道、国道42号線はその道の良さもさることながら、南紀エリアを代表する場所のハイライトが連続する、贅沢なツーリングコースです。
目指せ本州最南端 潮岬・紀伊大島
和歌山県の串本町にある、本州最南端の潮岬は、先端マニアのライダーなら是非とも押さえておきたい場所です。
南紀の海の大動脈、国道42号線を串本方面へと向かうと「最南端」という文字の登場にテンションが上がります。残り10km、残り5km、残り1kmと減っていく潮岬までの道のりは、最果ての地に向かっているというライダーの冒険心を鷲掴みにします。
そして、ようやくたどり着いた潮岬では、潮岬タワーの土産屋にて「本州最南端訪問証明書」を必ずゲットしておきましょう。もちろん最南端の文字を入れた愛車との記念撮影も忘れてはいけません。
潮岬の目の前の開放的な芝の広場では、繁忙期以外は無料でキャンプをすることもできます(繁忙期は600円)ここでテントを張り、本州最南端の日の出を見るのも旅の良い思い出になるでしょう。
また、潮岬の東側には紀伊大島があり、珍しい海上のループ橋でそのままバイクで渡れます。その紀伊大島の先端には、日本最古の石造り灯台である樫野埼灯台がそびえ立ち、こちらも潮岬同様、最果てを感じる場所としておすすめです。
鳥羽と志摩を結ぶ爽快ワインディング パールロード
三重県の海の町、鳥羽と志摩を結ぶパールロードは、全長23.8kmの無料の観光道路です。
その名前から海の道と思われがちですが、実際は山岳ワインディングロードの色が濃い道で、全体的に路面状態が良く、気持ちの良い高速コーナが適度に続く、バイク乗りなら思わず笑顔になってしまう道です。
志摩方面から気持ちよくワインディングを流していると、その道中、異国情緒あふれる志摩スペイン村の敷地内を通過、その後はパールロード内で最大のドライブイン「鳥羽展望台」へと続きます。
その鳥羽展望台では、快晴時にはなんと富士山が見えるほどの大パノラマの圧巻の景色を拝むことが出来ます。
その後、鳥羽の町で海の幸に舌鼓を打つのもよし、そのまま伊勢に向かいお伊勢参りするのもよし。パールロードは走りも観光も、ライダーの胃袋をも満たしてくれる道です。
天空のドライブウェイ 伊勢志摩スカイライン
伊勢志摩スカイラインは、伊勢と志摩を結ぶ全長16.3kmの有料ワインディングロードです。
バイクの通行料は880円と若干高めの設定ですが、その分路面状態と展望は抜群に良く、まさに天空のドライブウェイという名がふさわしい道で、伊勢エリアにバイクで来たら必走の道と言えます。
伊勢志摩スカイラインの最高所にある、朝熊山頂展望広場の海の絶景もまた素晴らしく、敷地内にある足湯に浸かりながら、鳥羽市街はもちろんのこと、伊勢湾の海の大展望を心ゆくまで楽しめます。
また、道中にある金剛證寺は、昔から伊勢神宮の参拝者が訪れる場所で、お伊勢参りをするなら是非セットで訪れたい場所です。
神秘の湖と若狭湾を望む道 三方五湖レインボーライン
それぞれ水質と水深が異なる、五色の色を持つ神秘の湖、三方五湖を巡る道「三方五湖レインボーライン」は、福井県にある有料ワインディングロードです。
三方五湖とは菅湖(すがこ)、三方湖(みかたこ)、久々子湖(くぐしこ)、水月湖(すいげつこ)、日向湖(ひるがこ)からなる5つの独立した湖のことです。
その5つの湖の展望の美しさもさることながら、同時に広大な若狭湾を眺めることができる「三方五湖レインボーラインは、バイクの通行料730円を十分払う価値のある道です。
また、休日には多くのライダーで賑わう山頂公演では、三方五湖を一気に観れるビューポイントが大人気なので、こちらも合わせてオススメの場所です。
もはやネタでしかない?想像を絶する急坂の酷道 暗峠(くらがりとうげ)
大阪と奈良県の県境付近にある生駒山、ここを貫く国道(酷道)308号線が、あの噂の暗峠です。
暗峠は道が狭い上に舗装状態が芳しくない、いわゆる酷道と言われる道ですが、暗峠のそれは想像の遥か上をいく、もはや常軌を逸するレベルです。
その最大の特徴は、最大37パーセントとも言われている、常識外の急勾配な坂の存在です。ちなみに37パーセントの勾配というのは、現実世界では、ほぼ直角に等しいレベルの勾配です。
しかも、暗峠の最大の難所はその急勾配の道で、あろうことかS軸クランクになっています。
実際その場を訪れると、まるで世界が傾いているような錯覚を起こし、道に刻まれた数々の痛々しいタイヤのスリップ痕に恐怖感を感じます。
さらに、無事に急坂を登り終えたのもつかの間、今度はローギアでもエンジンブレーキを無視してバイクがガンガン進んでしまう、超急勾配の下り坂が待っています。
はっきり言って、バイクにもライダーにもかなり過酷な道で、ここを走ろうと思うのは、もはやネタでしかないと言える道です。
実際多くのモトブロガーが、ネタとしてこの道を走る動画をYoutubeにあげています。
したがって、暗峠を走る際はあくまで自己責任で、ライダーもバイクも万全な状態の時に臨みましょう。
ただし、最良の方法は自ら暗峠走らず、家で動画を見て満足することと付け加えておきます。
【絶景・温泉・グルメ】関西ツーリングのおすすめスポット10選 まとめ
関西エリアのツーリングは本当に飽きることがありません。バイクで走るべき道、一度はみるべき景色、ご当地料理に温泉、知的好奇心をくすぐる史跡の数々。
さぁ、冒険心の赴くままに、愛車に荷物をくくりつけ、地図を片手に関西の旅に出かけましょう。