実際に1ヶ月住んでみて分かった地方移住のメリット・デメリット

北海道砂川市の雪景色

こんにちわ、さすライダーです。

東京への一極集中による、地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体を活性化させようと、2014年に政府は「地方創生」を掲げました(通称ローカス・アベノミクス)

それに伴い「これからは地方の時代」と言われていますが、しかし東京への人口流出は、全く止まらないのが現状です。

僕はこれまで、バイクで47都道府県を駆け抜けた、日本の地方の良さを、誰よりも知っている人間として、地方創生に前から興味を抱いていましたが、今回「地方移住モニター」に当選する機会に恵まれ、実際に地方への移住体験をする事が出来ました。

場所は冬の北海道は「砂川市」ゆっくりではありますが、確実に年々人口が減っている場所です。

ちなみに時期は2月、つまりは真冬に現地で1ヶ月過ごしてみて感じた、地方移住のメリット・デメリットを説明していきます。

北海道の砂川市とは?

北海道砂川市の「すながわ駅」

今回僕が移住モニターとして行く機会に恵まれた場所は、北海道の「砂川市」という地方都市です。

場所は札幌と旭川のちょうど中間地点、北海道の大動脈、国道12号線沿いの町で、人口は約17000人です。

砂川市は「市民一人当たりの都市公園面積が日本一」の町として「砂川オアシスパーク」をはじめとする、自然豊かな公園の宝庫で「すながわスイートロード」と呼ばれる、スイーツ店が立ち並ぶ通りがある、甘党には堪らない町でもあります。

また、札幌と旭川に近い「中空知エリア」の町の中では、比較的積雪量が多い場所としても知られています。

実際に1ヶ月住んでみて分かった地方移住のメリットとは?

実際に冬の北海道は砂川市に、1ヶ月滞在して分かった、地方移住のメリットを解説していきます。

なお、あくまで冬の北海道における、完全に僕の主観の話になります。

地方は通勤ラッシュ?渋滞?人混み?それって美味しいの?

地方は道が広い

いや〜、砂川市は静かですね、とにかく静かです、そして人がいない。

いや、人がいないとは言っても、砂川市は人口17000人の町なので、北海道の地方都市では、それなりに人がいる方なんです。

それでも、閑散としてるように感じるのは、やはり人口に対して、土地が圧倒的に広いからです。

そして、北海道は道路も広いです、東京だと、片側2車線なんて国道357号線くらいですが、北海道にはそこら中に片側2車線の道があります。

しかも、片側1車線の道でも、車道の広さは、東京の狭い片側2車線くらいあります(笑)

これが国道だけならまだしも、住宅街の入り組んだ道でさえも広いんです(なので入り組んでいるように見えません)

道路が広いということは、通勤ラッシュや渋滞とは無縁ということで、必然的に人混みも起こりにくくなります。

というより、僕が今まで北海道で人混みを見たのは、お盆のハイシーズンの富良野・美瑛の主要観光スポットくらいで、これはお盆に行った僕が悪いだけです(笑)

砂川市には、主要なJRの路線も通っていますが、余程のことがない限り、駅は空いていますし、電車も余裕で座れますし、なんなら横の椅子に自分の荷物を置いても、全然問題ないです(マナーは別として)

そして、これはあくまで僕の主観ですが、誰も焦ってないですし、皆の歩くスピードが首都圏の半分くらいです。

つまりは、通勤ラッシュ?渋滞?人混み?それって美味しいの?が砂川市のデフォで、何もこれは北海道に限らず、地方都市はだいたいそんな感じです。

地方はそこら中が自然だらけで空気が美味しい

地方は自然が綺麗で空気が美味しい

都会に住んでいると、自然はお金と手間をかけて探しに行くものですが、ところが地方は、そこら中が自然だらけです。

一歩家を出れば、すぐに綺麗な空気と澄んだ青空が、あなたをお出迎えしてくれます。

砂川市は視線を奥に向ければ、雄大な山々が見えますし、10分も歩けば湖畔の素敵な公園に到着しますし、夜は歩道に野生のキツネがいたりします。

人間は地球の歴史上、最も進化した生き物かもしれませんが、結局は動物なんです。

そして、動物は自然がないと、自然と触れ合わないと、生きていくことが出来ません。

自然に触れると、心が穏やかになり、病院に行かなくても、勝手に体調がリカバリーされます。

これは何もスピリチュアルな話ではなく、人間のDNAに刻まれた、列記とした科学的根拠がある話です。

あ〜イライラする!なんかムカつく!最近体調が悪い、、、そんな時はあれこれ試す前に、騙されたと思って、自然に触れてみて下さい、大抵のことは、それだけで良くなります。

なので、自然豊かで空気が美味しい、これは人の幸福度を大きく左右すする大切な要素です。

地方は家がめっちゃ広いし家賃(または購入)が安い

北海道砂川市の移住お試しハウス「よしの」

今回僕と妻が現地で滞在した場所は、砂川市が常時用意している「移住お試しハウス」で、その広さは、なんと大きめの4LDKです。

普段、狭めの3DKのアパートに住んでいるので、とてもじゃないですが、家が広すぎて、2部屋ほぼ使うことが無かったです(笑)

ぶっちゃけ、夫婦の2人暮らしには、明らかにオーバースペックな広さでしたが、それでもやっぱり、家が広いというのは、とても気持ちが良かったです。

時代はミニマリストに代表される、軽量・コンパクト路線かもしれませんが、家が広いというだけで、気持ちに余裕が出てくるので、大艦巨砲主義も悪くないと、今回思いました。

家の庭もとても広く、車を適当に停めても、夫婦2人のバイクが余裕で入って、なんなら庭でキャンプ出来そうな勢いでした(車とバイクは自宅に置いてきました)

はじめは、移住お試しハウスだから広いのかな?(イメージ戦略で)と思ったのですが、周りの家もどれも大きく、それこそ都内ならば、1〜2億円は下らないであろう、超大型の豪邸もそこら中に(盛ってないです)ありました。

あまりにデカイ家ばかり見過ぎたので、帰ったら、世界がミニチュアのように見えないか、、、と心配になるレベルです。

そして、家がデカイのに、家賃や購入の場合の価格が、信じられない位に安いので(逆にアパートの方が高いです)地方に住むなら、絶対に一軒家賃貸(もしくは購入)がオススメです。

僕の感覚としては、首都圏の相場の金額の1/3、もしくはそれ以下の感覚でした。

地方は生活費が都会よりも安くなる

地方に移住すると生活費が安くなる(家計簿)

今回はあくまで移住体験なので、実際に住み始めると、多少の相違はあるとは思いますが、それでも「あぁ、移住したら生活費は確実に安くなるな」という確信を得る事は出来ました。

まずは前述の通り、家賃(または家の購入費)は確実に安くなるので、そこの出費は都会よりも減ります。

次に食費ですが、これは妻の意見ですが、スーパーの食材が凄く安かったそうです。

特に野菜の安さが際立っていて、しかも新鮮で美味しそうな野菜ばかりで、野菜好きの妻は、テンションが上がったそうです(ちなみに僕は野菜が嫌いです・笑)

それと、まさか移住体験で、これを体験することになるとは思いませんでしたが「近所の方が食べ物を譲ってくれる」これが普通に起こりました。

いわゆる「地方あるある」ですが、一度会って、簡単な挨拶をしただけの人が、突然家まで食べ物を持って来てくれます(しかも美味いものを)

家が安くて、食材も安い(たまに貰える)そしてもちろん、その他諸々の物価も都会に比べて安いので、どう考えても生活費は安くなります。

特に、僕のようにインターネット完結型の仕事をしている人は、今までと同じ収入のままで、支出だけを減らすことが出来るので、経済的な恩恵を誰よりも受けることが出来ると思います。

地方はとにかくご飯が美味しい

北海道砂川市のカネイ池内商店の海鮮丼

ご飯が美味しいって、人生の幸福度を左右する、最重要項目じゃないですか?

だって、どんなに嫌なことがあっても、どんなに疲れていても、美味しいご飯を食えば、誰でもハッピーになりますよね。

僕は雨の日のツーリングは、気持ちが落ちないように、必ず美味いものを食べるようにしています( ・∇・)

、、、話が逸れましたが、日頃イオンのフードコートをヘビロテしている僕としては、やっぱり地方のご飯は美味しいです!

肉も魚も美味いし、コメも美味しい、スイーツも美味しい、しかも量があってリーズナブル(北海道の場合)とくれば、これは最高以外の何物でもないです。

地方に住んでいると、マックや丸亀製麺に行きたいなんて、全く考えなくなります。

むしろ、地元の美味しいお店以外受け付けなくなるので、ある意味贅沢な食生活が送れますし、家でご飯を作る際も、素材が新鮮なので、当然美味しいです。

地方は自然の遊びスポットや温泉だらけ

砂川市の「北海道子どの国」のスノーシュー体験

地方であれば、首都圏のように電車で2時間かけて、人混みの中を「〇〇ネイチャーランド」に行く必要はありません。

何故なら、そこら中がネイチャーランドだらけなので、どこで遊ぼうか?と迷ってしまうほどです。

砂川市であれば、町の中心部にある「砂川オアシスパーク」では、冬はワカサギ釣りが楽しめますし、夏はランニングやサイクリング、ジェットスキーなどのマリンスポーツが楽しめます。

町の中心地から、車で10分くらい走ったところにある「北海道子どもの国」では、スノーシューや歩くスキーなどが楽しめます。

しかも、驚くべきことに、これらの遊びは全て無料(スノーシューとスキーはレンタルも無料)なので、お金も手間も時間もかけずに、しかも混雑とは無縁で、自然の遊びを満喫することが出来ます。

そして僕が大好きな温泉もまた、地方にはそこら中に転がっており、例えば砂川市であれば、車で15〜30分圏内の場所に、平均500円で入れる広い温泉が沢山あります。

地方では、温泉とは高いお金と時間をかけて行くものではなく、生活圏内に当たり前のようにあるものなのです。

話がちょっと逸れますが、これが例えば、今人気の移住先の「大分県」であれば、無料〜100円で入れる温泉が大量にあるので、もはや家の風呂を使う意味がないです。

地方はとにかく人が優しい

地方は人が優しいイメージ

都会の生活に慣れていると、地方あるあるの「濃い人間関係」は、ちょっと面倒に思いますよね。

何を隠そう僕は「あまり人と関わりたくない生粋のソロプレイヤー」なので、これが地方移住にあたっての、最大の懸念事項でした(集会とか出たくない)

地方移住者は、皆口を揃えて「人が優しい、人との関わりが増えた」と言いますが、僕はいつも「そんなの要らね〜」と思っていました(嫌な奴・笑)

しかし、実際に地方で1ヶ月過ごしてみると、あまり認めたくはないのですが、、、確かに人が優しいから、人との関わりが増えるから、地方はいいなぁ〜と、不覚にも思ってしまいました(バイクの神に誓って本当です)

都会で町を歩いていて、小学校の子供が笑顔で「こんにちわ!」と大きな声で挨拶してくれるでしょうか?ほんのちょっと挨拶をしただけで、次の日、美味しいご飯をわざわざ家まで持って来てくれるでしょうか?

都会の人間には煩わしく思う集会や組合も、よくよく考えてみれば、有事の際のセーフティネットワークですし、何かあったら誰かが助けてくれる(助ける)という安心感に繋がります。

隣の部屋に誰が住んでいるのか分からない、都会のドライな生活もいいですが、どこに誰が住んでいるのかが明確で、町を歩いていると、誰か に声をかけられる生活も、プライバシーがどうとか言う前に、体験してみると、意外に心地良いものです。

なんせ、システマチックなシティボーイの僕がそう思えたので、もともと、人と人との繋がりに飢えている人には、地方の人の温かさは堪えられないと思います。

For ライダー:玄関開けたら2分でツーリングスポット

北海道のオロロンラインツーリング

首都圏からツーリングスポットに行くと、現地はもちろん楽しいんですが、行きと帰りの渋滞と人混みに、それはそれは萎えちゃいますよね。

せっかくの休日の、貴重な時間を無駄にしたくないので、朝は頑張って超絶早起きで渋滞をかわして、現地で「あ〜、ビーナスラインは空いてて最高だった( ´∀`)」ってなっても、自宅に帰る途中に、結局は人混みと渋滞の中をかき分けて行くことになります。

それが地方、しかも北海道であれば、玄関開けたら2分で、ライダーの憧れ「北海道ツーリング」の開始です。

渋滞?人混み?それって美味しいの?が、地方のデフォなので、朝はゆっくり起きて出発しても余裕ですし、家に帰る2分手前までが、全てツーリングスポットです。

それこそ関東ならば「〜ロード」を走るために、なるべく早起きをして、しかも「〜ロード」は有料だったりしますが、北海道はバイク雑誌の表紙レベルの名道が、そこら中に点在しています(しかも無料)

もちろん、これが四国であろうと、九州であろうと同じことで、ライダーなら黙って地方移住が幸せの近道だと断言します(きっぱり)

実際に1ヶ月住んでみて分かった地方移住のデメリットとは?

この世は「何でも良いことばかりじゃない」ので、次に実際に地方に滞在して分かった、デメリットを解説していきます。

地方は仕事の幅が狭く給料が安い

地方の求人は少ないイメージ(履歴書)

僕は今、会社員ではない、場所にとらわれない仕事をしているので、これはあくまで見たり聞いたりした上での話で、僕自身の経験では無いことを、はじめにお伝えしておきます。

その上で、地方における仕事探しは、まずは仕事の絶対数が少ないことと、仕事の幅が狭いことが、ネックとなります。

首都圏のように、求人誌を開けば、いつも大量の求人がある状態ではなく、給料も当然地方価格です。

農業や漁業などの、第一次産業に就きたい人は、むしろ都会よりも地方の方が、相性が良いかもしれないですが、それ以外の仕事は、何かしらの譲歩をしないと、なかなか見つけることが出来ません。

地方に移住したいけど、仕事がない、今の仕事を辞めるわけにはいかない、、、ある意味これが、地方創生における最大の課題と言えます。

地方では車が必需品

地方は車は必需品のイメージ

首都圏では、車はただの金食い虫に(主に駐車代)なりがちですが、地方では車は必需品です。

車を持たずに、地方に移住することは、ほぼ不可能だと思った方がいいです。

もちろん、電車やバスなどの公共交通機関はありますが、大抵は本数が少なく、運賃が首都圏よりも高めです(利用者が少ないから)

となると、結局は車が一番利便性が高く、地方における最も確実な移動手段となります。

特に今回僕が移住体験をした北海道は、日本屈指の車社会なので、車が無い生活なんて、まず考えられません。

つまり「地方に移住する→車を持っていない場合は購入する」という経費が発生します。

地方は交通費が高い

地方の交通費が高イメージ(電車のホーム)

車の話と被る部分がありますが、地方では交通費が高くつきます。

電車はもちろん、バスやタクシーでも、利用人数の絶対数が少ないので、その分運賃が高めに設定されていますし、そもそも何本か交通機関を乗り継がないと行けない場所もあるので、となると、ますます交通費が嵩んできます。

また、車であっても、地方は都会に比べて移動距離が長い分、ガソリン代が高くなりがちです。

なので、地方に移住すれば、生活費は都会に比べて安くなりますが、必ず交通費を加味した上で計算すべきです。

地方はチェーン店がない(少ない)

地方はチェーン店が少なイメージ(マクドナルド)

これは正直、僕自身はデメリットに感じていないので、あくまで一般論での話になります。

ファストフードやファストファッション、スタバやドトール、イオンやイトーヨーカドーなど、これらのチェーン店を日常的に利用している人は、地方に移住するなら、それらを捨てる覚悟で行く必要があります。

実際、今回僕が移住体験をした砂川市は、チェーン店の類がほとんどなく、すべて地元の店を利用することになりました。

もちろん、すべての地方がそうではありませんが、少なくても都会のように「どこに行っても、お馴染みの店がある」という状態ではなくなります。

ちなみに僕は、日常の買い物を、ほとんどAmazonで済ませているので、ここは全く影響がなく(届くのは遅いですが)ネット通販こそ地方移住の新たなインフラだと思っています。

地方は世間のあれこれと遠くなっていく

テレビでワイドショーを見るイメージ

これは、デメリットともメリットとも取れる事ですが、地方に住んでいると、良い意味でも、悪い意味でも、世間と遠くなっていきます。

もともと「下らない」と思っていますが、移住体験中にワイドショーを見たら、ますます下らなく感じて、すぐにテレビのスイッチを切りました(笑)

東京では「今こんなものが流行っています」系の話も、興味が全く湧かないですし、なんだか遠い外国の話に聞こえました。

これは、良く言えば、余計な情報が入らない、悪く言えば、世間のあれこれから遠くなっていく感じです。

もちろん、ネットで必要な情報は仕入れていましたが、それでも確実に、スマホやパソコンを開く時間自体が減っていました。

実際、移住体験中の世間の出来事が、すっぽりと抜けている状態です(長期ツーリングに行っていたような感覚です)

世間で何が起こっているのか?何が流行ってるのか?よりも、今日はどこを散歩しようかな?明日は温泉でも行こうかな?という考えになります。

これを幸せと感じるか、世間からどんどん離れていってると感じるのかは、あくまで本人次第です(僕は前者の方です)

地方移住のメリット・デメリット まとめ

砂川オアシスパークでワカサギ釣り

これからは地方の時代と言われて久しいですが、残念ながら現状は、まだまだ、東京集中型の社会になっています。

しかし、このまま東京への人口流失が続けば、日本全体で見れば、確実に国は衰退していきます。

なので、地方移住に興味がある人は、まずは試してみて欲しいです!

実際に住んでみて「あぁ、僕は都会の方が合ってたんだ」と思えば、それは自分の適性が分かった事になりますし「地方の方が合ってる」と思えば、勝手に移住を検討すると思います。

大切なことは「まずは試してみて、選択肢を持つこと」で、多くの日本人は選択肢を持っていません。

今、地方移住は話題のテーマなので、多くの市町村が「移住体験制度」を設けているので、気になる場所があれば、まずは申し込んで体験してみましょう!

ちなみに僕は、砂川市に移住することを決めました(これから動きます)

この記事を書いた人

sasu-rider