DTM(音楽制作)をスムーズに!メーカー別のおすすめノートパソコン8選!

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DTMとは「Desk Top Music」の略で、パソコンを使った音楽制作のことを指します。

DTMをノートパソコンで行う場合、CubaseやStudio One、Ableton Live、Pro ToolsなどのDAW(Digital Audio Workstation)ソフトを使用するわけですが、これらのソフトを快適に使うためにはある程度の高いスペックを持つノートパソコンが必要です。

ノートパソコンは大きな買い物になりますし、基本的には長く使用していくものなので、しっかりと選びたいもの。しかし、パソコンに詳しくないと何を基準に買えば良いのか、どのメーカーが良いのか分からないはずです。

そこで当ページではDTM用のノートパソコンの必要スペックと、メーカー別のおすすめ機種をご紹介いたします!パソコンのことがよく分からないという方はぜひ参考にしてくださいね。

DTMで必要となるスペック

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ノートパソコンで見るべきポイントは、「CPU」「GPU」「メモリ」「ストレージ」の4つです。最低限この4つを抑えておけば、ノートパソコン選びが簡潔になります。

CPU

CPUとは、パソコンの「頭脳」のようなもので、性能が高ければ高いほど高速に処理されて快適に使用することができます。

DTMだけでなく、あらゆるパソコン作業を行う上で最も重要なもので、ノートパソコンであれば交換ができないので、必ずスペックの高いCPUを選ぶようにしましょう。

なお、CPUで最も一般的なのが「Core iシリーズ」です。Core iシリーズには現在、「Core i3」「Core i5」「Core i7」「Core i9」の4つの種類があって、最後の数字が大きいほど高性能になります。

さらに、各シリーズの中で「Core i3 6100U」「Core i3 7100U」「Core i3 8100U」というように4桁の数字+アルファベット1文字で区分けされています。

特に注目して頂きたいのが4桁うちの初めの数字(6100Uであれば「6」の部分)で、この数字が大きくなるほど新しく高性能になります。(2018年9月時点では8000番台が最新)

シリーズ別の性能

Core i3 < Core i5< Core i7 < Core i9

種類別の性能

5000番台 < 6000番台 < 7000番台 < 8000番台

 どのCPUが良いのかについてですが、DTMで使用するだけならCore i3でも問題ありません。ただし、その場合には7000番台や8000番台など新しいものを選ぶのが得策です。

DTMだけでなく他のパソコン作業も快適に行いたいという場合には、Core i5を選びましょう。(価格と性能においてはCore i5が最もバランスがとれています)

基本的にDTMにはCore i7やCore i9ほどの性能は必要ありません。ゲームなど高負荷のかかることをするなら、Core i7やCore i9を検討するのも良いかもしれません。(ゲームなどは後述のGPUも重要になります)

GPU

GPUとは、コンピューターにおける処理の中で「画像処理」を得意とする装置のことで、主にゲームや画像・動画編集などの際に使われるものです。

ノートパソコンに搭載されるGPUには、主に「Intel HD Graphics」と「NVIDIA GeForce」があり、広く搭載されているのが前者のIntel HD Graphicsです。

価格・性能ともにNVIDIA GeForceの方が高いですが、DTMではGPUをあまり使用しないので、Intel HD Graphicsで問題ありません。ただし、DTM以外にゲームや画像・動画編集をするという場合には、NVIDIA GeForceがおすすめです。

メモリ

メモリとは、データを一時的に記憶する装置のことです。4GB・8GB・16GB・32GBというように容量によって区別され、容量が大きくなるほど性能が高くなります。

また、メモリは主にさまざまな処理を同時に行う場合に使用量が増加し、身近な例で言えば「ネットサーフィンで複数のタブを開く」「ネットサーフィンとOFFICEソフト(WORDやEXCELなど)を同時に行う」「ゲームをする」などで使用量が増えます。

DTMではメモリをそれほど多く使用しないので4GBでもDTMは可能ですが、モタついたりクラッシュする場合がありますし、DTM以外のパソコン作業もすることが多いと思うので、快適性を考えて8GB以上にすることをおすすめします。

ストレージ

ストレージは「データの保存庫」のことで、種類には「HDD(ハードディスクドライブ)」と「SSD(ソリッドステートドライブ)」の2つがあります。

 

メリット

デメリット

HDD

  • 容量が大きい
  • 価格が安い
  • 起動・処理が遅い
  • 回転音がうるさい
  • 寿命が短い

SSD

  • 起動・処理が早い
  • 回転音が静か
  • 寿命が長い
  • 容量が小さい
  • 価格が高い

HDDは容量が大きく安いのが大きなメリットですが、その一方で起動や処理が遅く、回転音がうるさいというデメリットがあります。

HDDのメリットとデメリットが逆になっているのがSSDで、起動や処理が非常に速く、快適性はHDDを大きく上回ります。

また、DTMでは音を聴くことが主な作業になってきますが、HDDでは負荷がかかった時に“ウィーン”という回転音が鳴り、場合によってはかなり耳障りになります。

SDDは容量が小さく価格が高いのですが、ストレスなく使っていけるので、可能であればSDDを搭載することをおすすめします。

音源データは容量が大きい場合が多いので、SSDの容量は256GB程度を選び、足りなければ外付けHDDを購入して対処するようにしましょう。

おすすめスペックのおさらい

ここまでお話したスペックをまとめると下表のようになります。

CPU

Core i5(後に続く4桁番が大きい方が良い)

GPU

Intel HD GraphicsでもNVIDIA GeForceでもOK

メモリ

8GB以上

ストレージ

SSD 256GB(容量が足りない場合は外付けHDDで対応)

大体ですが、【CPU】Core i5 8250U、【GPU】Intel UHD Graphics 620、【メモリ】8GB、【SSD】256GBの構成で「7万円~」になります。

人によってオーディオインターフェイスやマイク、ヘッドホン、キーボード、スピーカー、サウンドブラスターなど、さまざまな機材を用意すると思いますが、機材にかなりお金がかかってしまうので、ノートパソコンの費用を抑えて、その分を機材に回すのが良いでしょう。

DTMにおすすめのノートパソコン

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以上を踏まえた上で、DTMにおすすめのノートパソコンをご紹介します。

まず、WindowsにするかMacにするかで迷ってしまいますが、個人的にはどちらでも問題ないと考えています。というのもDAWの多くがどちらにも対応しているからです。

ただし、Windowsは①汎用的に使える・②価格が安い、Macは①見た目がスタイリッシュ・画像・動画編集に向いているなど、異なる特徴を持っているのも事実です。

DTMにおいてはどちらでも問題ありませんが、DTM以外にも軽いゲームをしたい・色々なソフトを使いたいという場合にはWindowsを、見た目が好きならMacというような感じで選んでも良いと思います。

予算が少ない方向け(10万円以下)

DTMで使える10万円以下のノートパソコンなら、LenovoやASUS、Dell、Acerなどの海外メーカーがおすすめです。

「海外メーカーは大丈夫か?」と疑問に思う方は多いと思いますが、全く問題なく、むしろ国産メーカーよりも低価格でコストフォーマンスに優れているので、予算が少ない方の強い味方となります。

Lenovo Ideapad

 

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IdeapadはLenovoの豊富なラインナップの中で最も安いシリーズですが、安いながらスペックが高く、おそらくノートパソコンでは1・2位を争うほどに優れたコストパフォーマンスを誇ります。

また、低価格でありながらもサウンドがそこそこ良いということも評価できる点です。さらに筐体が薄く重量も軽いので持ち運びにも便利です。

Ideapadにもさまざまな機種が用意されていますが、中でもおすすめなのが「Ideapad 330S」です。7万円台で十分なスペックを備えています。

CPU

Core i5 8250U

液晶サイズ

14インチ

GPU

Intel UHD Graphics 620

解像度

フルHD (1920×1080)

メモリ

8GB

駆動時間

12.4時間

ストレージ

SSD256GB

重量

1.67kg

LENOVO公式|Ideapad 330sのページへ

ASUS ZenBook

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ASUSのノートパソコンの中で機能性とデザインを重視したシリーズがZenBookです。薄型かつ軽量で、価格は安いのに高級感があるように見えます。

サウンドも割と品質が高く、総じてコストパフォーマンスに優れた機種です。特にデザイン性を重視する方に最適と言えるでしょう。

ZenBookでおすすめなのが「ZenBook 14 UX430UA」。Ideapad 330Sとほぼ同等のスペックで、Ideapad 330Sよりも少し高額になりますが、デザイン性はIdeapad 330Sを上回ります。

CPU

Core i5 8250U

液晶サイズ

14インチ

GPU

Intel UHD Graphics 620

解像度

フルHD (1920×1080)

メモリ

8GB

駆動時間

9.4時間

ストレージ

SSD256GB

重量

1.27kg

 ASUS公式|ZenBook 14 UX430UAのページへ

Dell Inspiron

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Dellはアメリカ発の大手PCメーカーで、魅力は何といっても価格の安さ、そして優れたコストパフォーマンスです。私は仕事でDellのノートパソコンを使用していますが、キーボードが打ちやすく、さまざまなパソコン作業が快適です。

そんなDellの中でおすすめなのがInspironシリーズで、その中でもコストパフォーマンスの高い「Inspiron 13 5000」がおすすめです。カラーバリエーションはシルバーとピンクが展開されています。

CPU

Core i5 8250U

液晶サイズ

13.3インチ

GPU

Intel UHD Graphics 620

解像度

フルHD (1920×1080)

メモリ

8GB

駆動時間

ストレージ

SSD256GB

重量

1.39kg

DELL公式|Inspiron 13 5000のページへ

Acer Swift

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Acer の中で最も有名なのがAspireシリーズですが、Swiftも近年人気が出てきています。Swiftは薄さとデザイン性を重視したシリーズで、おすすめの「Swift 3」は筐体サイズが13.3型級でありながら14インチの液晶を備えるなど、スタイリッシュかつ実用的です。

CPU

Core i5 8250U

液晶サイズ

14インチ

GPU

Intel UHD Graphics 620

解像度

フルHD (1920×1080)

メモリ

8GB

駆動時間

12時間

ストレージ

SSD256GB

重量

1.45kg

Acer公式|Swift 3のページへ

予算が多い方向け(10万円以上)

続いては10万円以上の高級ノートパソコンをご紹介します。10万円以上するノートパソコンは総じてスペックが高く、特にGPUと音質が良いことから、DTMだけでなくプロモ動画を作る方や、演奏動画やライブ映像を編集する方にうってつけです。

また、ある程度負荷のかかるゲームもできるので、1台持っておくと色々なことに対して不自由を感じません。予算に余裕のあるなら10万円以上のノートパソコンを検討してみてはいかがでしょうか。

マウスコンピューター DAIV

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最初におすすめするのがマウスコンピューターの「DAIV」シリーズです。マウスコンピューターは他メーカーとの差別化を図るためか、音楽や映像などを手掛けるクリエイター向けのパソコンを多数展開しています。

その一つであり主力を担うのがDAIVシリーズで、近年かなり人気を集めているようです。DAIVからはさまざまな機種がラインナップしていますが、中でもおすすめなのが「DAIV-NG4500E2-SH2」です。

15インチや17インチの大型ノートパソコンが多い中、DAIV-NG4500E2-SH2は14インチなので外への持ち出しに便利です。

かなりスペックが高いので、あらゆるパソコン作業で不便に感じることはないでしょう。ただし、バッテリーでの駆動時間が短く、重量がやや重いという点は目をつぶる必要があります。

CPU

Core i7 7700HQ

液晶サイズ

14インチ

GPU

GeForce GTX 1050

解像度

フルHD (1920×1080)

メモリ

16GB

駆動時間

約5時間

ストレージ

SSD256GB

HDD1TB

重量

約2.2kg

マウスコンピューター公式|DAIV-NG4500E2-SH2のページへ

iiyama SENSE∞

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iiyamaは、マウスコンピューターの液晶ディスプレイのブランドで、iiyamaも「SENSE∞(センス インフィニティ)」というクリエイター向けのノートパソコンを展開しています。

使用目的に応じたさまざまな機種がラインナップしていますが、DTMに特化した機種もあります。それが「SENSE-14FH054-i7-UHP-DAC」です。

上で挙げたDAIV-NG4500E2-SH2よりもCPUやGPUの性能は劣るものの、SSDが2つ(240GBと480GB)内臓しています。また、バッテリーの駆動時間がやや長く筐体が軽いので、外への持ち運びに便利です。

自宅での使用が主ならDAIV-NG4500E2-SH2、外での使用が主ならSENSE-14FH054-i7-UHP-DACというように、用途に分けて選んでも良いかもしれません。

CPU

Core i7 8550U

液晶サイズ

14インチ

GPU

Intel UHD Graphics 620

解像度

フルHD (1920×1080)

メモリ

16GB

駆動時間

約6.3時間

ストレージ

SSD240GB

SSD480GB

重量

約1.5kg

 iiyama(パソコン工房)公式|SENSE-14FH054-i7-UHP-DACのページへ

HP Spectre x360

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上で挙げたDAIVとSENSE∞はクリエイター向けですが、HPの「Spectre x360」は紅一点、高級志向のノートパソコンとなります。

外観がスタイリッシュかつ高級感があり、誰が見ても“カッコいい”と思うほどに洗練されています。また、デンマークの大手オーディオメーカーであるBang & Olufsen社のオーディオシステムを採用しているので、音質も申し分ありません。

さらに、バッテリーの駆動時間が非常に長く軽量設計で、外での作業にかなり重宝します。

カラーバリエーションはアッシュブラック、ナチュラルシルバー、ローズゴールド(機種による)の3色。淡いピンク色のローズゴールドは、特に女性におすすめです。

CPU

Core i7 8550U

液晶サイズ

13.3インチ

GPU

Intel UHD Graphics 620

解像度

フルHD (1920×1080)

メモリ

16GB

駆動時間

約16時間45分

ストレージ

SSD512GB

重量

約1.29kg

※スタンダードモデル。ローズゴールドは英語キーボード

HP公式|Spectre x360シリーズのページへ

ヒューレット・パッカード(HP) ノートパソコン Spectre x360 ペールローズゴールド 3AV01PA-AAAA

ヒューレット・パッカード(HP) ノートパソコン Spectre x360 ペールローズゴールド 3AV01PA-AAAA

 
Apple MacBook Pro

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最後を飾るのはAppleの高スペック機種「MacBook Pro」です。同じようなスペックを持つWindowsのノートパソコンと比べると少々高くなりますが、MacBook Proには高画質&高sRGBカバー率を誇るRetinaディスプレイを搭載するなど、画像や動画編集に嬉しい大きなメリットがあります。

また、音質が非常に良くDTM向けでもあります。これまでWindowsノートパソコンを使用していて初めてMacBook Proに移行した際には、OSが違いことで戸惑うことがありますが、それもすぐに慣れますし、総体的にMacの方が使いやすいという人は私の周りにたくさんいます。

さらにMacにはDAWソフトの「Garage Band」が標準で入っているので、特にDTM初心者の方におすすめと言えるでしょう。

CPU

Core i5

液晶サイズ

13.3インチ

GPU

Intel Iris Plus Graphics 640

解像度

2560 x 1600

メモリ

8GB

駆動時間

12時間

ストレージ

SSD128GB

重量

約1.37kg

※最小構成

 Apple公式|MacBook Proシリーズのページへ

DTMのおすすめノートパソコンまとめ

ノートパソコンでDTMを快適に行うためにはそれなりのスペックが必要ですが、動画編集やゲーム用途ほど高いスペックは要りません。なので、7万円ほどの安価なノートパソコンでも十分です。

DTMではさまざまな機材を使うことになる場合もありますので、予算が少ない方はノートパソコンよりも機材にお金を費やす方が実用的だと思います。

ただし、ノートパソコンはDTM以外にもさまざまな用途で使えますし、長く使用していけるものなので、予算があればできるだけ高スペックのノートパソコンを選ぶことをおすすめします。

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