グラボのファンが回っていても、映像出力やWindowsの認識、必要な電力まで正常とは限りません。まず「電源を入れても何も映らない」「Windowsでは映るがGPU名が出ない」「ゲーム中だけ映らなくなる」を分けると、確認する順番を絞れます。

ここではデスクトップPCの増設グラフィックボードを対象に、外から確認できる接続、Windowsの表示、取り付けの順で整理します。交換直後なら、交換前の構成と何を変えたかもメモしておきましょう。
最初に「映らない」と「認識しない」を切り分ける
| 今の症状 | 最初の確認 | この段階では決められないこと |
|---|---|---|
| 電源投入直後から画面が真っ黒 | モニターの電源・入力切替・ケーブルの接続先 | Windowsドライバーの故障とは限らない |
| 起動ロゴは出るがWindowsで消える | 消えるタイミング、直前のドライバー更新、画面設定 | GPU本体の故障とは限らない |
| Windowsは使えるがGPU名が見つからない | デバイスマネージャーの表示名・警告・エラーコード | 映像が出ている端子と、増設GPUの認識は別 |
| ゲームなど負荷をかけると落ちる | 発生アプリ、温度、電源仕様、直前に変更した設定 | 「認識しない」より動作中の不安定さの問題 |
なお、低負荷時にファンを止める製品もあります。起動時に一瞬回って止まっただけで電力不足とは判断できません。停止条件は型番ごとに確認します。ASUSのファン停止に関する公式説明でも、0dB機能による停止と故障は区別されています。
画面が映らないときは、まずPCの外側を確認

- モニター単体のメニューが出るか確認する。電源ランプだけでなく、本体ボタンで設定画面が表示できるか見ます。
- 入力を接続端子に合わせる。HDMI 1に接続しているならHDMI 1、DisplayPortなら該当入力を選びます。
- 増設グラボ側の端子につなぐ。PC背面のマザーボード端子と、拡張スロット側の端子を見分けます。マザーボードに挿したこと自体でGPUが未認識になるわけではありませんが、その接続では増設GPUから直接出力しているか確認できません。
- モニター1台を直接接続する。変換アダプターや切替器を使っていれば外し、使えることが分かっている別ケーブルや別入力を一つずつ試します。
確認方法の根拠はASUSの映像出力トラブルシューティングです。CPUに内蔵GPUがない構成では、マザーボードの映像端子があっても出力できません。接続を変更して映った場合は、どの端子・ケーブルだったか残しておくと後の診断に役立ちます。
Windowsが使えるなら、表示名とドライバーを確認
デバイスマネージャーで何と表示されているか
スタートを右クリックして「デバイスマネージャー」を開き、「ディスプレイ アダプター」を展開します。GPU名が出るか、警告マークがあるかを確認し、プロパティの「デバイスの状態」も読みます。
「Microsoft 基本ディスプレイ アダプター」は、メーカー専用ドライバーではなくWindowsの汎用ドライバーを使っている状態です。「何も認識されていない」とは異なります。内蔵GPUと増設GPUを持つPCでは項目が複数になることもあります。Microsoftの説明に沿って、表示名と使用中ドライバーを確認しましょう。
対応ドライバーは公式サイトから確認する
まずWindows Updateの更新を確認し、必要ならGPUメーカーまたはPCメーカーの公式サポートから、製品とOSに対応するドライバーを入れます。BTO・メーカー製PCは、そのPCのサポート案内も確認してください。
再起動後に同じ場所を見て、GPU名や警告が変わったか比較します。コード43などが出ても、番号だけで原因は確定しません。エラーの全文、GPU型番、ドライバー版、いつから発生したかを記録します。ドライバー削除ツールやOS初期化を最初から行う必要はありません。
外側とWindowsで解決しない場合は、取り付けと電源
内部を確認する際はシャットダウン後に電源ユニットのスイッチを切り、電源コードを抜き、製品の取扱説明書に従います。通電中にグラボや補助電源を抜き差ししないでください。
- PCIeスロットへの取り付け:グラボが斜めに浮いていないか、ケースの固定金具が干渉していないかを確認します。抜き差しが必要なら、スロットのロックを説明書どおりに解除します。
- 必要な補助電源:型番の説明書にあるコネクターをすべて接続し、差し込みが不完全でないか確認します。必要な端子数やケーブル構成は製品ごとに違います。
- 電源ユニット:GPUの推奨電源とPC全体の構成を照合します。ファンが回ることは、負荷時を含む電力供給の保証にはなりません。
- ライザー使用時:延長ケーブルを介している構成では、説明書上取り付け可能ならマザーボードへの直挿しで違いを確認します。作業が難しければ、その構成を販売店へ伝えます。
接続方法はASUSの取り付け案内を参考に、自分の製品の説明書で確認します。モジュラー電源のケーブルは、端子が挿さっても互換とは限りません。別の電源のケーブルを流用せず、CORSAIRの互換表のようなメーカー資料で適合を確認してください。
BIOS更新の前に、販売店へ伝える情報を揃える

BIOS設定や互換性が関係する場合もありますが、画面が出ない段階で手当たり次第に更新やCMOSクリアを行うと、原因の切り分けが難しくなります。型番を特定し、メーカーがその症状に案内している手順があるか確認してから進めましょう。
相談時には「GPU・CPU・マザーボード・電源の型番」「交換前は動いたか」「起動ロゴは出るか」「モニター接続先」「警告やエラー」「試した操作と結果」を伝えます。焦げや変色、異臭がある場合は再通電せず相談してください。診断料金や保証交換の条件は、依頼先に確認します。
ファンの回転だけで結論を出さず、表示の症状→接続→Windows→取り付け・電源の順に、一度に一つずつ確認するのがポイントです。部品を買い足す前に、どこまで正常と確認できたかを整理してみてください。
公式資料確認:2026年9月5日。写真は従来掲載のものです。