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池井戸潤のおすすめ小説5作品!演劇を思わせるその構成に注目!

近年爆発的に名を売った作家の1人に、「池井戸潤」がカウントされることはほぼ間違いないといえるでしょう。

しかし映画やドラマがあまりにも先行してしまっていることから、原作の小説を読みこんでいるという人は意外と少ないのかもしれません。

もちろん映像作品も大変魅力的ですが(私も大好きです)、ここはあえて原作小説の面白さを改めて押してみたいと思います。

まだ池井戸潤を読んだことがないのなら、これからご紹介するおすすめの5作品を参考に、ぜひ読書にチャレンジしてみてください。

まずは池井戸潤の楽しみ方を知ろう!

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ゼロから知識を吸収していく面白さ

私もそうですが、池井戸潤の小説で描かれている舞台を実際に経験している人はほとんどいないと思います。

でも、というよりむしろ、実際の舞台を知らないからこそ池井戸潤の作品は楽しむことができるのです。

ほとんど知らない世界について、ゼロの状態から知識を吸収していけるような構成になっていることが、池井戸潤マジックだといえるでしょう。

知らないおかげであらゆるシーンから知識を発見することができ、そのたびにちょっとした快感を得ることができます。

「これはどういうことなんだろう?」「ここからどういったストーリーにつながっていくのだろう?」といった好奇心を常に維持できるという点こそ、池井戸潤を面白いと思える要因となっているのです。

銀行や電機メーカーという舞台に興味がないから、そういった職業について詳しくないから、といった理由で読書を避けるのは、非常にもったいないことでしょう。

小説全体を通してその職業や業界を深く知れるようにもなっているので、ぜひこの機にチェックしてみることをおすすめします。

1つの演劇を楽しむような感覚で

池井戸潤の小説は、演劇的とでもいえるような派手さに満ちています。

誇張や大袈裟な言動がたくさん見られますが、それは物語を牽引する大きなポイントとなっているのです。

そのためあらかじめ演劇のような雰囲気があることを意識しておくと、作品が読みやすくなるでしょう。

演劇風であることを理解して読むことで、主人公や味方周りだけでなく、敵役にまで感情移入することができるようになります。

あくまで感覚的な話ですが、通常の小説よりも華やかなイメージを持っておくと池井戸潤を上手く読めるのではないでしょうか。

なるべく時間を確保してから読むと良し

池井戸潤の小説はそもそも面白いため、一気に話しを読み進めてしまえることが多いかもしれません。

内容もスムーズに読破しやすくなっていることから、できるかぎり立ち止まらずに最後まで読んでしまうことをおすすめします。

読んでいるときの感情が温かいままの方が、ストーリーのどんでん返しを新鮮な気持ちで味わうことができるでしょう。

上手に時間配分をしながら読むことができれば楽しさは倍増するので、イマイチ内容に集中できないときは休日や就寝前の時間をがっつり使ってみてください。

池井戸潤のおすすめ5選!

下町ロケット

下町ロケット ヤタガラス


池井戸潤を知るのに最適な作品であり、今や読まないわけにはいかないほどの代表作となっているのが、こちらの「下町ロケット」です。

特許問題や中小企業の辛さといった内容が主題となるため難しく思われるかもしれませんが、下町ロケットが描いているのは「夢を叶える」というとても単純なものとなっています。

逆境に立ち向かう主人公という王道ストーリーが展開されていくため、きっと誰の胸にもグッとくることになるのではないでしょうか。

とにかく人間味あふれる文章が続いていくので、気づいたときにはその世界の虜になっているのが池井戸潤作品の特徴です。

難解に物語を捉えるのではなく、ただ感じるままに読み進めて、下町ロケットの中で再現されている雰囲気そのものを楽しむことをおすすめします。

またこちらの小説は既にシリーズ化されていて、いくつもの本が刊行されているのもポイント。

「下町ロケット ガウディ計画」に続いて、2018年7月に「下町ロケット ゴースト」が、9月末には「下町ロケット ヤタガラス」が続々とリリースされています。

シリーズを追いかける楽しみも味わえるので、登場キャラが気に入ったのなら続編もぜひチェックしてみましょう。

下町ロケット ヤタガラス

下町ロケット ヤタガラス

七つの会議

七つの会議 (集英社文庫)


読書に不慣れなうちは、長編小説を読むのにエネルギーが必要となるかもしれません。

そんなときでも「七つの会議」なら、気軽に池井戸潤の世界を楽しむことができるでしょう。

8つの短編集によって成立しているこちらの小説は、1話ずつ読み進めるだけでも内容が把握しやすい構成となっています。

もちろん池井戸潤の良さは存分につまっているので、入門編としておすすめできるでしょう。

キャラクターごとの立ち位置を意識した展開が見物となっているため、読んでいくうちに共感できる人物に出会えるかもしれません。

会社内の群像劇がどのように絡み合い、そしてどのような結末を迎えるのか、とにかく必見だということは伝えておきますね。

七つの会議 (集英社文庫)

七つの会議 (集英社文庫)

空飛ぶタイヤ

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)


ドラマティックな展開、特に圧倒的な劣勢を覆す爽快感こそが池井戸潤の魅力となっていますが、なかでも「空飛ぶタイヤ」はその「らしさ」をとことんまで体験できる書籍となっています。

巨大企業という「悪」に対し、中小企業の「善」が立ち向かう図式はもはやお馴染みであり、古典を含めてあらゆる物語が通ってきた道だといえるでしょう。

しかしそんな「ありきたり」なストーリー構成も、池井戸潤のスタイルにはめ込まれると驚くほど新しい小説になってしまうようです。

経営危機、警察からの嫌疑、あらゆる方向から絶望を押しつけられる主人公赤松徳郎の姿は、1つのヒーロー像として成立することでしょう。

私の生活や立場は彼とまったく異なりますが、その生き様や価値観からはとてつもない勇気をもらったような気がしています。

きっと同じように感じられる人も多いと思いますので、心を奮い立たせたいときのバイブルとしてこの本を読んでみてはいかがでしょうか。

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

ようこそ、わが家へ

ようこそ、わが家へ (小学館文庫)


個人的には、こういうお話はとても好きです。

ここまでご紹介してきたようなスタイルとは一線を画した小説「ようこそ、わが家へ」は、池井戸潤の可能性を知る良いきっかけとなるでしょう。

サスペンス的でホラー的な要素を持つこの作品には、読者に情景を想像させることで不安や恐怖を煽るような構成が採用されています。

生活感のあるリアルな雰囲気が持ち味となっているので、ストーリーが進むごとに少しずつ背筋が寒くなっていくことでしょう。

一方で池井戸潤お得意である会社でのゴタゴタも並行して描かれていくため、いつもの作風が好きな人でも楽しめるようになっています。

ストーカー問題と絡み合う様子は物語の緊張感を加速させ、没入感をより高めてくれるのです。

2つの問題が交差する面白さを味わいながら、犯人を推理してみてはいかがでしょうか。

ようこそ、わが家へ (小学館文庫)

ようこそ、わが家へ (小学館文庫)

陸王

陸王


下町ロケットのランニングシューズ版、だけではない面白味がふんだんに盛り込まれているのがこの「陸王」です。

会社側の困難にプラスしてランナー側の苦悩が描かれていることが特徴で、より物語全体の勢いが感じられるようになっています。

池井戸潤としてのスタイルが完成された後の作品であるため、かなりの安定感を持っているのも魅力。

特に読みやすさでは群を抜いているように思えるので、初めて池井戸潤を読む人にもおすすめです。

物を作る裏方とその物を使って活躍する表現者の立場がそれぞれ描かれることから、自然と感情移入も促されます。

気持ちよく読めるようなストーリーが待っているので、ぜひ時間を見つけて一読してみてください。

陸王

陸王

映像作品と合わせてチェックしてみるのもおすすめ!

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映像化にぴったりのものばかり

今回は池井戸潤の原作本をおすすめする回ですが、やはりどうしても映像作品の魅力も語らないわけにはいきません。

演劇風味があり、会社や仕事に関するリアルな世界観が売りである池井戸潤作品は、当然ながら映像化にぴったりのものばかりとなっています。

そのためまずはドラマや映画を見てその雰囲気をつかんでから、原作小説を手に取ってみるのもおすすめです。

私は一部作品に関しては小説と映像作品を同時に拝見しましたが、どちらかにがっかりさせられるようなことはありませんでした。

「どっちもおもしろい!」と思える作品はそうそうないので、(だいたい映像の方に違和感を覚えますね)池井戸潤だけは今後もドラマや映画をチェックしたいと思っています。

小説が原案の映像作品をあまり見ないという人も、池井戸潤だけはそのこだわりを捨てて楽しんでみていただきたいですね。

半沢直樹は特に映像作品をおすすめ

あえて上記のおすすめ5作品には選ばなかったのですが、「半沢直樹シリーズ」こそが、池井戸潤の代表作であるといっても過言ではありません。

しかしこの本に関しては、今となっては原作本を読むよりも、「先に映像作品を見てしまった方が面白いのではないか?」という気がするのです。

堺雅人が演じるインパクトとドラマのスピード感、この相乗効果は1度見たら癖になることでしょう。

あまりにも面白かったので、既に読んでいたシリーズ1作目を読み直したことを思い出しますね。

もちろん原作の完成度も相当ですが、それをさらに引き立ててくれているのが、今となってはドラマシリーズなのではないでしょうか。

「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」を読む際には、ぜひドラマの存在もチェックしてみてください。

映像化はこれからも続く予感!

半沢直樹シリーズや花咲舞シリーズの映像化が一段落してからしばらくは、池井戸潤作品は充電期間にありました。

しかし2018年、再びさまざまな作品が映画やドラマとして日の目を見ることになり、世は再び池井戸潤ブームに入りはじめているのです。

6月には「空飛ぶタイヤ」の劇場版が公開され、10月からは下町ロケットの続編ドラマが放送を開始するこの布陣は、あの半沢直樹の時代を彷彿とさせますね。

さらに2019年には「七つの会議」の劇場版も予定されているので、このブームはまだまだ続く予感がします。

つまり池井戸潤を読み始めるには、今が絶好のタイミングになることでしょう。

これからの映画やドラマをより楽しむためにも、今のうちに原作本を読み込んでおくことがおすすめです。

池井戸潤が気に入ったならこんな作家もおすすめ

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横山秀夫

ジャーナリズム精神に溢れた作品が多い「横山秀夫」は、池井戸潤好きならきっと面白く読むことができるでしょう。

企業の内部やそこで戦う人間模様を書いた作品も多数あるので、読者層は基本的に同じものだと思います。

横山秀夫の方がよりダークな雰囲気が強いですが、そこにある芯のようなものには共通する部分が多いので、似た感覚のまま楽しむことができるのではないでしょうか。

「クライマーズ・ハイ」「臨場」「64」「半落ち」などの名作から、気になる1冊を探してみることをおすすめします。

村上龍

池井戸潤と毛色は違いますが、読書の幅を広げるといった意味でも「村上龍」はおすすめできます。

現実にはあり得ないシチュエーションでありながら、独特のリアル感を伝えてくれる村上龍の本は、常におどろきとある種のショックを与えてくれるでしょう。

ただ環境に翻弄されるわけではなく、目的や意志を持って生きるキャラクターたちの様子は、池井戸潤と共有するものではないかと考えています。

あまり賛同を得られない気もしますが、私個人としてはやはり村上龍はおすすめしたいです。

例えば「コインロッカー・ベイビーズ」「歌うクジラ」など、そもそもの名作から読んでみてはいかがでしょうか。

基本的に文章量も多く密度も濃いため気軽に読むことは難しいですが、池井戸潤好きにはいつかチャレンジしてほしい作家だといえますね。

ジェフリー・ディーヴァー

池井戸潤自身が影響を受けたといわれている「ジェフリー・ディーヴァー」も、同作家にハマったのならおすすめしたいです。

本格ミステリー作家であり、国内でも多くの本が翻訳されているジェフリー・ディーヴァーなら、池井戸潤好きにも楽しんでもらえるのではないでしょうか。

比較的癖のない海外小説なので、これまで国内のものしか読んでこなかった人でも大丈夫。

「ボーン・コレクター」「スリーピング・ドール」などのシリーズから、その世界を体験してみてはいかがでしょうか。

また同じ海外作家から、「ヘミングウェイ」や「サン=テグジュペリ」もおすすめできそうです。

海外の小説に隠されている魅力と、池井戸潤が書いている魅力に重なる部分がないか、ぜひチェックしてみてください。

まとめ

池井戸潤は既に、かなりの有名作家であることは間違いありません。

しかし原作小説の魅力は、もっともっと世の中に伝わるべきだと考えるのです。

映画やドラマと合わせて、ぜひこの機に池井戸潤の小説を手にしてみることをおすすめします。

他にはない独特の雰囲気や世界の描き方が、きっと魅力的に映ることでしょう。



この記事を書いた人

syunkin
ガジェット、書籍、仮想通貨などを専門に執筆しているフリーライターです。
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