VRコンテンツは単純なエンターテイメントに留まらず、近年さまざまな分野への進出が見られています。
NHKでもVR専用のチャンネルが開設されていることから、その勢いは本物だということができるでしょう。
毎日見るニュースやテレビ番組でVRを活用すれば、これまで以上にその存在が身近となり、そしてより魅力的に感じることかと思います。
この機にスマホやパソコンから、NHKの番組をVRでチェックしてみてはいかがでしょうか。
そのクオリティはなかなかのものとなっているので、1つの確立されたVRコンテンツとして楽しめるかもしれませんよ。
NHKVRの概要
専用のVRチャンネルが完備済み
NHKには2016年から、VRを楽しむための専用チャンネルが開設されています。
VRコンテンツとして最適化された番組やニュース映像が提供されているので、VRを使い始めた頃にはチェックしてみたい内容だといえるでしょう。
テレビで既に見たことがある映像でも、VRで表現されるとまた違った趣があるものです。
より迫力のある映像を味わいながらニュースを楽しむためにも、1度はNHKVRを体験してみてはいかがでしょうか。
もちろんNHKVRには公式サイトが完備されているため、配信済みのコンテンツや速報をすぐに確認可能です。
VRに特化した放送に興味があるのなら、まずは公式サイトを覗いてみるといいでしょう。
よく見る映像が新しい形になる
NHKのVRで提供されているのは、一般的なニュースや環境映像などです。
そのためそれ単体には、大きな価値があるといえないかもしれません。
しかしよく見る映像であるからこそ、VR化したときのギャップを楽しむことができるのだといえるでしょう。
最初からVRのために作られた作品とは違い、既存の映像をあえてVR化したものには独特の魅力が備わります。
「こういう風景はこんな感じに見えるのか」「現実と比べると○○みたいだな」といった発見もできるので、VRの新しい面白さをNHKの映像から堪能できるかもしれません。
NHKにはさまざまな映像が豊富に貯めこまれていると予想できるため、VR化の素材には困らないでしょう。
そういった意味ではNHKのVRコンテンツが、今後独自の路線で進化していく可能性は十分に考えられます。
よく見る映像がVRに最適化される面白さが浸透していけば、NHKVRはもっとメジャーな存在になるかもしれませんね。
発展に期待できるコンテンツ
NHKVRはまだ2年しか稼働していないため、勢いがつくのはまだこれからだと考えることができます。
VRがさらに市場に広まっていく今後こそ、コンテンツとしての充実度の高まりに期待できるでしょう。
利用は無料であるため、誰でも気軽に楽しめるという地盤が整っているのもポイント。
その存在が認知されていけば、もっともっと面白いものになるのではないでしょうか。
見るかぎり宣伝がまだ足りていないように感じるので、今後はその点をいかに補えるかが問題となってきます。
NHKにどれほどのやる気があるのかはわかりませんが、力の入れようによっては国内でも有力なVRコンテンツになる可能性はあるでしょう。
どんな番組があるのか?
ニュース
NHKといえばニュース、というわけでNHKVRでも多くのニュース映像がVR化されています。
360の視点から眺める映像のおかげで、ニュースの内容がよりリアルに伝わるということもあるかもしれません。
特に普段は見れないような場所をVR化した映像は、ぜひNHKVRでチェックすることがおすすめです。
ニュートリノを観測する施設である「スーパーカミオカンデ」の内部映像や、国連総会の議場をVRで見れるのは、なかなかに貴重な経験ではないかと思います。
画像で見るのとは全然違い、自分がそこにいるという没入感を持てるので、そのニュースが強く頭に残ることになるでしょう。
何か気になるニュースがあったときは、VR化されていないかどうかチェックしてみるのもいいですね。
スポーツ
VRと非常に相性が良いとされるスポーツ映像も、NHKVRで配信されています。
その競技を体感するような迫力ある映像もあれば、普段は決して見れない角度からの映像もあるので、スポーツ好きにはたまらないものになるかもしれません。
特に今後は2020年の東京オリンピックに向けて、そういったスポーツのVRがどんどん増えていくと予想できますね。
多くのVR動画コンテンツやニュースと合わせて、NHKVRもチェックの対象に入れておくといいでしょう。
優勝パレードをVR化した映像も作成していくようなので、今後記録を作ったりメダルを獲得したりする日本選手が増えるほどに、スポーツのVRは充実していくかもしれませんね。
エンタメ
ドラマの撮影現場の裏側や、お笑い芸人を主体としたエンタメ映像も、NHKVRでは体験できます。
まだ数としては少なく、内容も手探り感が否めませんが、VR番組として定着していく可能性はあるでしょう。
朝ドラと連携したり、テレビに出ている芸人とコラボしたりといった動きがあれば、これからNHKVR独自のエンタメ作品ができていくかもしれません。
ドラマの現場を360度見わたせるというのはかなり画期的だと思うので、これは他のVRコンテンツもマネしてほしいと個人的には思いますね。
ドキュメンタリー
NHKらしいドキュメンタリー映像も、VR化によって新しい形になってきています。
国内や外国の文化にフォーカスした映像や、1人の人物に密着した映像などがあり、視聴者をテレビクルーの一員として迎え入れるようなスタイルが特徴。
テレビをまた違った角度から見るきっかけになるので、1度はチェックしておきたいVRジャンルだといえるでしょう。
このあたりが充実してくると、NHKVRを見る理由がもっと増えてくるのではと思えますね。
カメラマンVR
カメラマンの視点に立って周囲を見渡せるカメラマンVRというコンテンツも、NHKVRでは配信されています。
自然の風景やお祭りの様子などを臨場感たっぷりに味わえるのが利点で、家にいながら現地の空気を確かめられるかもしれません。
旅行などに行く暇がないけれど、素敵な風景を見てみたいというときにはうってつけのVRになるでしょう。
VRだからこそのリアル感が楽しめるので、VR初心者にはこういった自然と触れ合うコンテンツこそ最初におすすめできます。
視聴方法について
スマホorパソコンから視聴可能
NHKVRは、スマートフォンとパソコンのどちらでも視聴が可能となっています。
スマホであればそのまま公式サイトにアクセスし、見たい動画をタップすればOK。
後はスマホ本体を自由に動かして、360度の風景を楽しんでいきましょう。
パソコンでVRを楽しむには、ゴーグル・ヘッドセットディスプレイなどの端末を用いることがおすすめされます。
所有しているパソコンに対応しているVRゴーグルがあるのなら、実際にその場にいるような感覚で映像を楽しめるでしょう。
またNHKVRは、パソコンのマウスだけでも映像を360度見わたせるようになっています。
パソコンはあるけどVRに対応している端末がないというときには、マウスを使ってVRの「らしさ」だけでも味わってみてはいかがでしょうか。
クリックしながらカーソルを動かすだけで上下左右への視点移動、さらにホイールを回すことでズームイン・アウトが可能です。
自分の視点で見るよりはいくらか臨場感が減ってしまいますが、専用のVR環境がなくても内容を閲覧できるのは評価ポイントになりますね。
最新バージョンへのアップデートを忘れずに
利用しているプラウザのバージョンが古いと、VR動画がきちんと再生されない可能性があります。
そのため自動アップデートを切っている人は、あらかじめ最新の状態になっているか確認しておくといいでしょう。
他にも回線の状況によっては、スムーズな視聴ができないこともあり得ます。
その際にはしばらく時間を空けたり、4K動画の場合はHDに画質を落としたりしてみると上手くいくことがあるようです。
古いスマホではスペックが足りないことも?
古いスマホやアップデートが適用されていないAndroid端末では、VR環境に対応していない可能性があります。
そのためVRに興味があるのなら、なるべく最新の機種に乗り換えていくことがおすすめです。
NHKVRも今後、さらにクオリティの高い動画作品を配信していく可能性はあります。
そうなれば古いスマホのスペックでは、ますます視聴が難しくなるでしょう。
今はNHKVR以外にもたくさんのVRコンテンツがあるので、VRを1つの目的としてスマホを機種変更するのもありです。
さまざまなVR動画をまとめて楽しめるように、この機にスマホを見直してみてはいかがでしょうか。
世界的にもニュースはVR化の流れ?
さまざまな報道媒体がVRを導入している
ニュースのVR化はNHKに限らず、世界中のテレビや新聞が実施していることでもあるようです。
例えばアメリカのABCニュースやCBSニュース、ニューヨークタイムズなどがVRを利用した報道を行っています。
1つの選択肢としてVRが提示されるのは、既に当たり前のものとなりつつあるのかもしれません。
見た目から楽しめる上に、その内容をより深くまで知ることができるVRは、使い方によってはニュースと相性の良い存在になる可能性があります。
世界的な流れによっては、NHKをはじめとしたさまざまなニュースがVR化することも考えられるでしょう。
ニュースへの採用がさらなる普及につながるかも
今のところVRといえば、ゲームや動画といったエンタメコンテンツでの利用が主流ではあります。
しかしNHKや海外の情報メディアを見てみると、「ニュースや報道にも使えるのでは?」と考える人は増えることでしょう。
それはVR技術のさらなる普及につながり、新しいメディアを生むきっかけになるかもしれません。
報道で使われるようなVRは、例えば観光事業や不動産事業などで応用できる可能性があります。
1つの画期的なアイデア次第では、これまでにないようなVR技術が発見されることもあるでしょう。
すべては未知数ですが、ニュースにVRを採用したこういった事例は、将来的に注目されることになるかもしれませんね。
NHKVRの課題
更新頻度が心もとない
ニュースのすべてをVR化できるわけではないため、ときにはVRコンテンツとして配信するものが足りなくなることもあるでしょう。
そのため放送に利用できる素材が不足してしまい、なかなか一般的に定着できないという可能性もあります。
現にNHKVRも、更新頻度でいえばそれほど充実しているとはいいがたいので、1つのコンテンツとして独立するのは難しいといえるでしょう。
今後はいかにVR化できるニュースの幅を広げ、かつその作業を簡略化しながら、更新頻度を上げていくことが課題となってくるのかもしれません。
模範的なことしかできない
NHKはもちろん、ニュースとは基本的に誠実なものでなければいけません。
そのためVRとして利用されるコンテンツは、すべて模範的なものに留まることが予想されます。
つまりは挑戦的な動画撮影や技術の利用が制限される可能性があるため、魅力の足りない「普通のVR」になりがちだといえるでしょう。
もちろんニュースとしてはそれが正しい形であるといえますが、あまりにもつまらないVR動画が続けば、多くのユーザーは別の場所に流れていきます。
結果としてNHKVRは廃業……なんてことにもなりかねないので、何かここにしかない特徴のようなものを見つける必要はあるでしょう。
模範的な範囲からどれだけ脱していけるかが、今後の注目ポイントとなりますね。
手軽さをどれだけアピールできるか
ニュースとは毎日放送されるものであるため、手軽に視聴できるという前提がなければ継続してチェックし続けることはできません。
しかしVRをよく知らない人のなかには、「VRを見るのは面倒」「特別な準備をしなければいけないのでしょう?」といった認識がまだまだ残っているといえます。
そのためNHKVRは今後、VRがいかに簡単なものなのか、そして手軽に楽しめるものなのかをアピールしていくことが求められるでしょう。
基本的にスマホさえあれば視聴できるので、その点を押していけばニュースをVRで見る人は増えていくと思われます。
そこからさらに面白いVR専用のコンテンツがあること、そういった作品は誰でも作り上げられることを提示していければ、VRという存在はさらに世間に定着していくでしょう。
一方でこのままアナウンスがなければ、VR=難しいという図式が変わらない可能性もあります。
NHKが関係している今こそVRが普及する最大のチャンスと考えることもできるので、この機にVRの発展に貢献してほしいですね。
まとめ
ニュースというジャンルは、VRによって新しい形を手に入れつつあります。
NHKVRはその先駆けとして、ニュースとVRをつなぐ役割を果たしてもらいたいですね。
VRを配信する場所は多ければ多いほどいいので、360度動画に興味があるのならこの機にNHKも選択肢に加えておくのがおすすめされます。
まだ内容としては発展途上ですが、だからこそNHKVRは今後どうなるのかが気になる存在となっていくでしょう。