今やパソコンどころかスマホだけでも簡単に文章が書ける時代となり、日々SNSで何かしらの言葉を紡いでいるという人も多いことでしょう。
その環境は何も短い文章に留まらず、小説のような本格的な文章作成のハードルをも下げる結果となっているのです。
そこで今回は、そんな手軽に書いた文章を使って参加できる「小説投稿サイト」の魅力をおすすめしてみたいと思います。
自分の文章をアップしたり、誰かの書いた小説を無料で閲覧したりといったことを楽しめる小説投稿サイトは、暇つぶしとしてはもちろん本格的なデビューにまでつながる可能性を秘めたコンテンツとなっているのです。
物語の読者も作者も必見となっているので、ぜひこの機に小説投稿サイトの基本とおすすめのサイトをチェックしておきましょう。
小説投稿サイトをおすすめする理由
そもそも小説投稿サイトとは?
小説投稿サイトとはその名の通り、自作した小説をアップロードして世界に公開することを目的としたサイトです。
感覚としてはSNSに近くなっていて、誰でも気軽に参加できることから、今少しずつファンや利用者が増えてきています。
現在国内だけでも複数の投稿サイトがあり、それぞれに特色がありますが、基本的にはライトなテイストで初見でも始めやすいという点は共通しているようです。
ツイッターのように少ない文字数による制限はなく、自分が納得いくまで文章を書けるのもポイント。
また個人ブログのように誰にも読まれないといった可能性も低いので、自分の読者を得るという楽しさを実感することもできるでしょう。
少しでも小説を読むこと、そして書くことに興味があるのなら、ぜひ小説投稿サイトはチェックしておくことをおすすめします。
無料で小説作品を読むことができる
小説投稿サイトのメリットといえば、無料で数多くの作品を読めるという点でしょう。
ちょっとした時間に小説を読んで楽しみたい、でも今月はお小遣いが心もとない……、そんなときこそ小説投稿サイトの出番となりますね。
読むだけなら登録が不要であることも多く、気軽に読書をできるのがポイントです。
読める作品数が制限されているということも少ないので、気に入った小説に当たるまで繰り返し利用ができるでしょう。
ジャンルも多数そろえられているため、自分の好きな雰囲気を狙うもよし、まったく興味がなかったタイプに挑戦してみるのもよしとなっています。
無料という利点を有効活用して、この機にさまざまな小説ジャンルを読破してみてはいかがでしょうか。
プロではない作品が読める貴重な場
小説投稿サイトに掲載されているのは、基本的にプロではないアマチュア作家の作品となっています。
そのため独特の味わいや発見を楽しむことができ、読書の新しい面白さを提供してくれるでしょう。
肩肘張らずに読み進められるものが多い一方、ときには「なんだこれ!」と目を瞠る作品を見つけられることも。
プロとして洗練されていないからこそ表現できるような作品を読めるのが、小説投稿サイトの魅力だといえるでしょう。
編集やプロ意識を通過していない粗削りな作品が基本なので、書店では決して出会えないようなものが多くなっています。
特に文豪の書簡や日記をまとめた本や、気軽なエッセイを読むのが好きだという人は、こういった完成されていないアマチュア志向のサイトがハマるかもしれませんよ。
本屋で気になる本を探すような感覚で、小説投稿サイトでアマチュア作品を探すのもおすすめできます。
投稿サイトならではの作品を見つけて、書店にはない魅力を味わってみましょう。
小説を書けないとダメ?
よくある疑問ですが、小説投稿サイトは小説を書けなくても問題なく利用することができます。
自分で書く習慣がなくても読者として参加できるので、興味があるのならサイト内の作品を読んでまわってみましょう。
気になった作品や作家をコメントで応援して、サイトを盛り上げていくのも楽しいですよ。
もちろん最初は読み手として参加したけれど、途中から自分で小説を書くのもおすすめです。
むしろ小説投稿サイトの魅力は、まったく書く気がなかった人を作家にしてしまう点にあると私は思っています。
数多くの小説を読んでいると、いつか「自分もやってみたい!」と思う瞬間があるかもしれません。
そんなときはその衝動に従って、アマチュア作家デビューをしてみましょう。
小説投稿サイトでの執筆には特別な準備や環境は必要なく、読書をしてきた状態そのままに書き手へと移行することができます。
スマホからなら移動中やちょっとした隙間時間でも執筆ができるため、こまめに続けることで大作を書き出せるかもしれませんよ。
おすすめの小説投稿サイト5選!
エブリスタ
サイトの見やすさと作品数が魅力の「エブリスタ」は、小説投稿サイトのなかでもおすすめしやすいコンテンツとなっています。
検索機能とランキング機能が充実しているのが特徴で、魅力的な作品を探すのに苦労することはありません。
特に作品の下に表示される「新着ピックアップ」と「急上昇ランキング」が魅力的で、意外な名作を見つけることも可能となっています。
ランキングに縛られることなく、埋もれてしまいそうな作品も発掘しやすいサイトとなっているため、かなりの読み応えを感じることができるでしょう。
内容としてはライトノベル、特に恋愛ものが人気となりやすいようです。
さらっと読めるような文体やページ数が主流となっているので、普段あまり本を読まない人にもおすすめできますね。
マンガが中心ですが書籍化されているものも多いので、応援している作品がいつか本になることがあるかもしれません。
将来性にも期待できる点からも、エブリスタは要チェックの小説投稿サイトとなるでしょう。
定期的にサイト主催のコンテストが行われているのも魅力で、自然と新規作品が増えるようなスタイルとなっているのです。
作品を書くきっかけにもなるので、小説を書きたいけれど何を書いたらいいのかわからないといった人は、コンテストの内容に沿って執筆してみてはいかがでしょうか。
作家でごはん!
個人的に1番おすすめしたいのが、本格向けの小説投稿サイトである「作家でごはん!」です。
こちらのサイトはレベルの高い小説が投稿されることが多く、1人の執筆者として勉強になることも多々あります。
全体の投稿ペースはそれほど高くないため常に新作を読み続けることは難しいかもしれませんが、ときどき覗いてみると魅力的な先品に出会えるかもしれませんよ。
掲示板やコメント機能がサイトのメインになっていて、かなり読者と筆者の距離が近い印象があります。
作品を読んだ感想を率直に伝えられる雰囲気ができているので、作者に対してコメントを残したい人におすすめできるサイトです。
一方で小説を投稿する側からすると、かなり辛辣な意見や批判も受ける厳しい場所になっているといえるでしょう。
それなりの覚悟が必要となると思われるので、作家でごはん!を利用する際には注意をしておいてくださいね。
またこちらのサイトでは、小説を書き始めたばかりの人に向けた知識や工夫の方法がたくさん載せられています。
上手く利用すれば執筆の基礎を学ぶことができるので、小説を書く際には1つ参考にしてみるといいでしょう。
カクヨム
小説投稿サイトはたくさんありますが、それらには既に独自の雰囲気やカラーが備わっていることが多いです。
そのためときには自分の好みに合わず、利用を断念してしまうことがあるかもしれません。
しかし大手出版社KADOKAWAとはてなブログによって運営されている「カクヨム」なら、かなり高い自治とニュートラルな環境の下で小説を楽しむことができるでしょう。
出版社が公式で運営していることから書籍化の可能性にも期待でき、掲載を続けることでプロデビューの夢も実現するかもしれませんね。
小説ジャンルも多彩で、「純文学」「万人向け」「青春」「ハイファンタジー」などのタグから検索することが可能となっています。
またKADOKAWAが取り扱っている一部のライトノベルの二次創作も可能となっているので、興味のある人には必見のサイトとなることでしょう。
こちらも基本的にライトノベルが主流なので、小説を気楽に読みたい人におすすめです。
一方まだサイトが作られてからそれほど時間が経っていないため、システム面で粗削りな部分が多いようにも思えます。
特にサイトのインタフェースは正直見づらい部類に入ると思うので、使いたくなるように改善していただけるとありがたいですね。
コンテストやイベントも毎月行われているようですが、応募数はそこまで多くない模様。
アクティブユーザーが増えれば一気に化ける可能性はあるサイトだと思われるので、今後の活動にこそ注目したいですね。
星空文庫
とにかくシンプルな構成を追及している「星空文庫」も、小説投稿サイトを知るなら要チェックとなります。
余計な機能は一切なし。ただ小説を投稿して読むだけ。
そんな使い心地が最大の魅力であるこちらのサイトは、ある意味で既に完成されているといえるでしょう。
とりあえずネット小説を読んでみたい、気楽に書いたものをアップしておきたいといった場合は、星空文庫の利用がおすすめされます。
ツイッターやラインといったSNSと連動させることも可能なので、書いた小説の感想が欲しいときには積極的に外部とつなげていくといいでしょう。
小説や自由詩といった形式からはもちろん、掌編~長編といった文章量から作品を検索することもできます。
今読みたいものをさっと手にすることができる感覚は、ネットでの読書を快適にサポートしてくれるでしょう。
小説家になろう!
言わずと知れた小説投稿サイトの大手である「小説家になろう!」もまた、チェックしないわけにはいきませんね。
何よりもユーザー数の多さと規模が魅力であるこちらのサイトでは、毎日たくさんの作者と読者でにぎわっています。
良作が見つけづらい、似たような作風ばかりといった弊害もありますが、こまめにチェックする価値はあるといえるでしょう。
現在はいわゆる「なろう小説」と呼ばれる作品が大多数を占めているため、純文学や本格志向のミステリーなどを好む人には不向きかもしれません。
ジャンルでランキングが別けられていますが、基本的な土台や流れは同じものが人気となる傾向にあるようです。
そういった1つの「なろうコンテンツ」だけが注目されているため、雰囲気にハマれない人には厳しい評価となるかもしれません。
しかし逆にいえばそのコンテンツが好きな人にはたまらない小説投稿サイトとなるので、ぜひ1度は覗いてみることをおすすめします。
小説投稿サイトを使うときのコツ
小説を読むときには……
小説投稿サイトで作品を読むときには、1ページ目(スマホなら1スクロール)で読み続けるか判断するのがコツとなります。
多くの場合最初のページが1番作者のテンションが高く、執筆の力量が出やすいといえるでしょう。
そのため1ページ目から肌に合わない、もしくは面白くないと感じるものは、読み進めてもイマイチしっくりこないことが多くなるのです。
最後まで読んで「面白くなかった」という感想では時間がもったいないので、ある程度途中で継続するかどうか判断することをおすすめします。
また小説投稿サイトでは、「連載」といった形で少しずつ作品をアップしている人も多いです。
そのため連載したばかりの作品だと、物語の導入しか書かれていないということもしばしばあります。
読み始めのときはなるべく長期連載中、もしくは既に完結しているものから選ぶ方が、楽しく読み続けることができるでしょう。
小説を書いて投稿するときには……
小説を書いて投稿することを目指すのなら、ある程度書き溜めてからアップロードすることをおすすめします。
少なくとも自分のなかで「これは最後まで書き切れるな」と自信を持てるようになるまでは、発表しない方が無難でしょう。
アップしたのに途中で止めてしまうことが多くなると、ファンがつきにくくなることはもちろん、自分のなかで執筆のモチベーションが下がってしまう恐れがあります。
小説はとにかく書き終えることが重要なので、投稿サイトを利用する際には勢いよりも冷静な目を持って挑むようにしてください。
書く時間がなかったり、どうしても執筆が中断したりしてしまうのなら、まずは短編を書いて体を慣らしていくのがおすすめです。
小説投稿サイトは長編だけでなく短編や詩の投稿も可能となっているので、短めの作品でも積極的にアップしていけるでしょう。
まとめ
小説投稿サイトは、今後SNSと同じような感覚でさらに発展していくのではないかと私は睨んでいます。
手軽に読めて投稿できる小説コンテンツは、これからさらに読者層を広げて、さまざまなジャンルに特化していくかもしれません。
読書が好きな人も、まだ本を読むことに抵抗がある人も、この機に小説投稿サイトを利用してみるのがおすすめです。
そこでしか読めない作品の中に、あなたの人生を変えるものがあるかもしれませんよ。