スピーカー以外から音楽を聴くとき、基本的な選択肢として用意されているのは「イヤホン」か「ヘッドホン」だと思います。
でもそこから先、「どういったイヤホンを選ぶべきか」「どんなヘッドホンならもっと快適に聴けるか」といったところまで考えることは少ないかもしれません。
今回はそんな人たちに向けて、「開放型ヘッドホン」というジャンルをおすすめしてみたいと考えています。
特化した機能を持つ開放型ヘッドホンは日常的な音楽体験を変えてくれるので、この機にそのメリットと今気にしておきたい製品をチェックしてみてください。
開放型ヘッドホンとは?
オープンな見た目と音が特徴のヘッドホン
開放型ヘッドホンとはその名の通り、装着時に耳を覆うハウジング部分がメッシュなどによって開放されている構造のものを指します。
空気や音が外に向かって飛び出していける形状をしているので、クリアで伸びるようなサウンドを実現できるのが特徴です。
音質にこだわるのであれば、1度は試しておきたいタイプのヘッドホンとなるでしょう。
一般的によく見られるハウジング部分を隠した密閉型のヘッドホンとは違い、使い心地にもあらゆるメリットを見つけられます。
毎日ヘッドホンで音楽や動画を視聴するという人は、快適な音楽環境の1つとして数えられる開放型のスタイルがピッタリになるかもしれませんよ。
既にヘッドホンを持っている人にもおすすめ
開放型ヘッドホンは密閉型のものとは大きく異なるアイテムであるため、既にヘッドホンを所有している人にもおすすめできるのです。
室内で利用する場合は密閉型よりも開放型ヘッドホンの方が使いやすいということもあるので、ヘッドホンを複数所持してシーンごとに利用することはメリットとなるでしょう。
同じタイプを集めるよりも、まったく違うスタイルを持つヘッドホンをそろえる方が音楽鑑賞の幅が広がります。
音楽のジャンルごとに取り換えるといった贅沢な使い方もできるので、本格的に音楽に聴き入るのなら今持っているものと合わせて新しくヘッドホンを購入するのがおすすめです。
特にまだ開放型ヘッドホンが未経験である場合、想像以上にその特徴がメリットになるかもしれません。
普段ヘッドホンを使っていて気になる部分が少しでもあるのなら、開放型をチェックしてみてはいかがでしょうか。
開放型ヘッドホンのメリット
高音の伸びに期待ができる
開放型ヘッドホンは音をこもらせない構造となっているため、高音が伸びて抜けていくような感覚を再現することができます。
まさに開放的な音楽体験にうってつけであり、耳慣れている曲でさえもその雰囲気をガラッと変えてくれるかもしれません。
普段から密閉型のヘッドホンを使っている場合は、開放型ヘッドホンから聴こえる音に驚かされることもあるでしょう。
1つにこだわるのではなく、ぜひ開放型とそれ以外のヘッドホンで聴き比べてみることをおすすめします。
ハウジングから直接耳に届く音は単純にクリアに聴こえるので、クラシックなどを聴いてみるとその音の違いがよくわかるかもしれません。
こういった音の透明感はどちらかというと低音のずっしりとした感じを楽しめる密閉型のヘッドホンにはないメリットであるため、1度お店で体験してみることをおすすめします。
軽量化されたモデルが豊富
素材にメッシュなどを用いていることから、開放型ヘッドホンは比較的軽量化されたモデルが多いです。
普段ヘッドホンを使っていて重さが気になるという場合には、その軽さがメリットとなるでしょう。
私も自宅で数時間、ときには休憩を挟んで十時間以上ヘッドホンを使い続けることがありますが、段々と本体の重さが耳や頭に負担となってくることがあります。
そういった長時間の利用を前提としてヘッドホンを探すのなら、開放型をおすすめすることができるでしょう。
また音楽だけでなくゲームや動画を楽しむときにヘッドホンを利用する人も、開放型の軽さがメリットになり得ます。
イヤホンよりも臨場感が強く、密閉型よりも長時間利用しやすいという点が、映像コンテンツをさらに快適に楽しませてくれるかもしれませんよ。
開放型特有のデザインが魅力的
開放型ヘッドホンはハウジング部分を開放するというその構造的特徴から、ヘッドホンとしてかなり特殊なデザインとなることが多いです。
かっこよくてスタイリッシュなものも豊富なので、デザインからヘッドホンを選びたい人にもおすすめのタイプとなるでしょう。
開放型を製作するための必然性を上手くデザインの理由に変えている製品が多いため、普通のヘッドホンにはない面白い形が多くなるのかもしれません。
例えばメカニックな中身が外側から見えるようなヘッドホンは、ガジェット好きにはたまらないデザインだといえますね。
他にもメッシュをポイントにして目を引くようなデザインも魅力的で、思わず手に取ってみたくなるものも珍しくはありません。
開放型ヘッドホンに興味を持てたのなら、ぜひデザインにもこだわってその特徴的な見た目を楽しんでみることがおすすめです。
今おすすめしたい開放型ヘッドホン5選!
AKG Q701
開放型ヘッドホンの代表的メーカーであるAKGからは、特にこの「AKG Q701」をおすすめしたいです。
メッシュを活かしたデザインと3種類のカラーリング、そして気持ち良いほどの装着感が特徴のAKG Q701は、いまだに人気を博している魅力的な開放型ヘッドホンとなっています。
二層に設計されたダイアフラムによってより正確なサウンドを伝えてくれるので、音楽に対する理解が深まるきっかけになるかもしれません。
ちなみにこちらはリファレンス品となっていて、AKGのK701というヘッドホンをベースにさらに進化させたアイテムとなっています。
K700シリーズの原点であるといわれるK701は、高音域の伸びやかさと中低域の繊細さが魅力のヘッドホンであり、Q701と同様におすすめできるクオリティを持っているのです。
AKGの製品を色々とチェックしてみれば、開放型ヘッドホンそのものの魅力を知ることにつながるかもしれませんね。
AKG Q701 ヘッドホン オープン型 グリーン Q701GRN 【国内正規品】
- 出版社/メーカー: AKG
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SENNHEISER HD 598 SR
開放型ヘッドホンに初挑戦するという人におすすめなのが、SENNHEISER「SENNHEISER HD 598 SR」です。
黒の本体とメッシュがシックな雰囲気を醸し出し、レザー調のヘッドバンドとイヤークッションが長時間の使用を快適なものとしてくれるでしょう。
もちろん音質にもこだわりがあり、高音から低音まで歪みの少ない形で音を再現してくれます。
複数の音楽ジャンルにまたがって利用できるので、普段から色々な音楽を聴くという人は要チェックのヘッドホンとなるでしょう。
着脱のできるオーディオケーブルなど使いやすさを考えた特徴も備わっているため、日常的にヘッドホンをしながら作業をする人にこそおすすめしたいですね。
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- 出版社/メーカー: ゼンハイザー
- 発売日: 2017/05/26
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オーディオテクニカ ATH-AVA300
開放型ヘッドホンをなるべく安く購入したいという人には、「オーディオテクニカ ATH-AVA300」がおすすめです。
5000円以下で手に入るお手軽品でありながら、開放型ヘッドホンならではの軽さや見た目の特徴はしっかりと実現されています。
やや小さめなので耳の大きな人は要注意ですが、フィットすれば開放型ヘッドホンの魅力をリアルに実感することができるでしょう。
またオーディオテクニカはATH-AVA300の他にも、ATH-AVA500やATH-AVC500、ATH-AD700などたくさんの開放型ヘッドホンを商品展開しています。
開放型の良さがわかった際には、予算を上げてもっと良いヘッドホンにチェンジしていくのもおすすめですね。
オーディオテクニカ エアーダイナミックヘッドホン ATH-AVA300
- 出版社/メーカー: オーディオテクニカ
- 発売日: 2015/06/19
- メディア: エレクトロニクス
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YAMAHA HPH-200
高品質な開放型ヘッドホン「YAMAHA HPH-200」も、今から購入するのにおすすめのアイテムとなっています。
元々楽器演奏者向けに作られたヘッドホンのようですが、その音色を忠実に再現してくれる性能は普段の利用でも十分にメリットとなるでしょう。
ハウジングの部分は回転させることができるので、持ち運びの際にも便利な構造となっています。
自室だけでなく、その他の屋内で開放型ヘッドホンを利用したいという場合には、その落ち着いたデザインも含めておすすめできる製品だといえるでしょう。
ヤマハ YAMAHA オープンエアー型ヘッドホン ブラック HPH-200 BK
- 出版社/メーカー: ヤマハ(YAMAHA)
- メディア: 付属品
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SHURE SRH1440
音質へのこだわりを突き詰めるのなら、「SHURE SRH1440」のような開放型ヘッドホンもぜひ試しておきたいですね。
高音から低音までをしっかりと捉えるその性能は、開放型のメリットである「聴くことの快適さ」をより明確なものとしてくれるでしょう。
見た目も高級感があり、利用し続けたくなるようなスタイルが完成されています。
ある程度余裕のある予算を持てたときには、ぜひSHURE SRH1440のようなハイスペックにもチャレンジしてみましょう。
【国内正規品】SHURE オープン型 プロフェッショナル・ヘッドホン SRH1440
- 出版社/メーカー: SHURE
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開放型ヘッドホンはこんな人におすすめできる
装着時の重さや蒸れが気になる人
開放型ヘッドホンの魅力は、その装着感そのものにあるともいえます。
そのため普段からヘッドホンを着けていて気になる点がある人は、開放型のタイプを利用してみることがおすすめです。
例えば重さが気になる人や耳の蒸れが嫌な人は、開放型を利用することでそれらの問題が解決する可能性があります。
装着時の感覚が嫌でヘッドホンを使うことを諦めていた人にとっては、開放型がうってつけのアイテムになるかもしれませんよ。
ヘッドホンの利用時は耳周りなどをしっかりケアしないと不快感につながってしまうので、あらかじめ軽くて蒸れにくい開放型を使うことは1つの工夫となるでしょう。
特に夏場は空気が通る開放型の方が、密閉型よりもずっと愛用したくなると思います。
季節に合わせて複数のヘッドホンを使い分けるのも、快適な音楽環境を作るポイントになっていくでしょう。
自宅での利用が多い人
開放型ヘッドホンはそのオープンなスタイルから、自宅での利用が推奨されています。
通勤などで使うのではなく、自宅でじっくりと質の高い音楽を楽しむときにこそ、開放型の良さを存分に味わうことができるでしょう。
その構造上水や埃に強いわけでもないので、場所によっては開放型ヘッドホンを気兼ねなく使えないかもしれません。
そのため基本的にヘッドホンを使うのが自宅であるという人にこそ、開放型をおすすめしたいですね。
周囲の環境を気にしないで使用することが、開放型ヘッドホンの良さを引き出すことにもなります。
自分の好きな音楽を快適に聴ける自宅という空間を、開放型ヘッドホンで充実させてみることがおすすめです。
長時間の利用が基本の人
ヘッドホンを長時間利用することが多いのなら、密閉型よりも開放型の方が快適に使えることでしょう。
どちらのタイプを使うか悩んだときは、1日の使用時間で密閉型か開放型かを決めるのもおすすめです。
特に何かしらの作業中にヘッドホンを使う場合は、知らず知らずのうちに時間が経過してしまうこともあります。
その際に密閉型を使っていると、耳や首などへの負担が大きくなってしまうでしょう。
密閉型もその遮音性の高さから集中力を高めることに役立ってくれますが、人によっては疲労を蓄積しやすくなることもあるのです。
長時間の使用を想定して購入するのなら、開放型を優先的にチェックしておく方がいいかもしれません。
開放型ヘッドホンの注意点
周囲の音が聴こえやすい
開放型ヘッドホンはメッシュを使ったその性質から、どうしても周囲の音を完ぺきに遮断することができません。
そのため使っているときの環境によっては、周りの音が気になってしまうこともあるでしょう。
利用時はなるべく雑音が入らないように、場所を選ぶことも注意しておきたいですね。
とはいえ周囲の音が聴こえるということは、ときとしてメリットにもなります。
自宅でインターホンなどを聞き逃したくない場合は、このデメリットを逆に活躍させることができるでしょう。
また構造上こちらの聴いている音も周囲に漏れやすいので、外で利用するのなら音量に注意する必要があります。
これらの点から開放型ヘッドホンは、どちらかといえば屋内での利用がおすすめされるかもしれませんね。
ワイヤレスタイプはほとんどない
クオリティの高い音の再現を目指した製品が多いため、開放型ヘッドホンにはあまり無線スタイルのものがありません。
そのため自由に動きながら使いたい人にとっては、そこが1つの妥協点となってしまうでしょう。
基本的にはワイヤレスのヘッドホンと開放型ヘッドホンをシーンごとに使い分けて、それぞれのメリットを活かす形にすることがおすすめです。
また開放型ヘッドホンのなかにはケーブルの長さを交換できるタイプも多いので、ある程度なら欠点を補うことができます。
いずれにせよ開放型ヘッドホンを購入するのなら、どんなときに利用するのか、どのくらいの範囲で使いたいのかを事前に考えておくといいでしょう。
まずは実際に使ってみることをおすすめ
開放型ヘッドホンの使用感を知るためにも、購入する前に1度はお試しで視聴することをおすすめします。
家電量販店などで視聴してみれば、実際にどのような音が聴こえるのか、装着感はどうなのかといった具体的なポイントを把握できるでしょう。
納得したうえで購入することは満足感につながっていくので、ヘッドホンはなるべく現物を使ってから手に入れるようにしてください。
これは開放型のものに限らず、どんなヘッドホンを購入する際にもおすすめできることです。
どんなに見た目やスペックが気に入っても、使ってみたら「なんか違う……」となることは珍しくありません。
使用感という曖昧なものを軽視しないように、とにかく1度は購入予定のものを触ってみるといいでしょう。
まとめ
開放型ヘッドホンだからこそ体験できる音楽の良さは、もっと多くの人に知ってもらいたいことであります。
この機にぜひ1度開放型を利用して、これまでとは違ったヘッドホンの魅力を確かめてみてはいかがでしょうか。
そこそこ安価なものも増えつつあるので、まずはお試しで「開放型ヘッドホンらしさ」を体感してみることがおすすめです。