米農家の私が憂う息子への後継ぎ問題!自営業も必見!

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まだ小学生の息子に家業の後継の心配をするのは早すぎると思いますが、私自身は米農家を継ぐつもりでいるので、息子は大きくなったらどう思うのかな?とふと考えました。

今回のコラムは自営業の方にも当てはまってくるポイントなので、一緒に考えてみましょう。結論を先に言うと「好きなように羽ばたいていけ!」という話です!

我が子に米農家を継がせるか?好きにさせるか?

もちろん子どもに家業を継いで欲しいという気持ちはあります。代々続いてきたものだし、土地だって毎年耕さないとすぐに荒れ地になってしまいます。

でも子どもにとっては農家に生まれるかどうかなんて選択できなかった事象です。

ですので子どもの未来は自分自身で決めて欲しいと思っています。もし「継ぐわ」と言ってくれれば嬉しいですし応援します。

でも他の仕事に就こうが、元気に毎日会社に行ってくれれば、それだけで親としては幸せです。親の価値観や思いは押し付けてはいけないと思います。

自分の力で社会を進んでいく力は、大企業の御曹司であろうが農家の子だろうが必須です。

でも農家は大切な仕事だということは理解して欲しい

私自身、農家という職業は非常に大切な産業だと思っています。人の根幹は「食べること」です。それがないと働くことはおろか生きていくことさえできません。

日本の食は多様化を極め日本食の重要性は薄くなってしまいましたが、日本人はやっぱり米が好きです。

米の取引が自由化されようとも米農家は日本に必要な産業と言えます。そのありがたさや重要性はぜひ我が子にも分かって欲しいなと思います。

お米が嫌いな子どもや大人ってあまり聞いたことがないので、日本人のソウルフードと言っていいでしょう。

親が子どもの職選びの自由を奪ってはいけない

私の妹の話ですが、音楽教室の教師を目指していたのですが、両親に反対され別の職業に就いたという経験があります。私は大変可哀想に思ったのを覚えています。本人もかなり悩んでいた様子でした。

子供を導くのは親の責任ですが、親のエゴを押しつけるのはナンセンスな事柄です。じゃないと仕事が嫌いになりますし、毎日楽しくないですよね。

子どもの人生くらい子どもに選ばせてやったほうが、子どもも人生に真剣になりますし、壁にぶち当たった時解決する力が伸びるのです。

昔は家が農家ということが私は嫌で仕方なかった

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私が小さい頃、家が農家ということが嫌で仕方ありませんでした。家はボロいし、半年間は米の成長が中心となって家が動くので、週末に出かけることも少なくなります。

私が農家という職に感じていた点は以下のようなポイントになります。

  • 農家ってダサい
  • 両親にはかっこいい仕事をして欲しい
  • 手伝うのがイヤ
  • 田舎から出たい
  • 友達に見られたくない

一つずつ解説しますね。幼ながら農家というイメージはあまりよく思えなかったのです。

農家ってダサい

農家は本当に地味な仕事です。土でドロドロになりますし、「これ何!?」っていうくらいでかいカエルには出会いますし、要するに華やかではないのです。

私は友人のお父さんがゲーム会社に勤務していて、毎月新しいゲームを持って帰ってくると聞いた時「なんて素敵なお父さんなんだろう!」と羨ましい気持ちでいっぱいになりました。

今思うと、ゲームで空腹は満たせませんし、子どもだからこそ感じる憧れだったんだなと思うことができます。

両親にはかっこいい仕事をして欲しい

例えば、英語を駆使して行う仕事や、スーツを着て大切な商談へ向かう両親像に憧れていました。つまり「自慢できる職業」に就いて欲しかったのですね。

幼ながら浅はかな考え方ですが、友人と話す時もあえて両親の話はしなかった記憶があります。

でも、どんな職業に就こうが無駄な職はありませんし、農家だってみんながお米を食べるから存在しているのです。毎日パン食ばっかりだったら飽きますし、日本から米が消えるという危機は自給率の面で心配する必要はないと言えます。

米農家も実は超大切な産業だったりするのです。だから恥ずかしくない!

手伝うのがイヤ

我が家の米作りは苗床作りから始めます。最近は苗を農協から買ってきて植える農家がほとんどですが、うちは倹約農家なので、たとえ手間でも育苗機に入れて一から世話をするのです。

また田植えや草刈り、刈り取りはかなりの重労働です。今はコンバインという稲刈りの機械はホースが付いてあって、軽トラックに直接米を積めるようになりましたが、ちょっと前なんて30kgある米袋をせっせと持ちながら、乾燥機に入れていました。

もちろん次の日は関節の節々が悲鳴を上げているのが、分かるくらいの筋肉痛に襲われます。しかも無給なので、正直どっと疲れます。

田舎から出たい

私の住んでいる地域は良くも悪くものどかです。たまにTVで「この店の〜が美味しい!」とか「ビアガーデン最高!」とか初夏や流行のニュースを見ると「都会はあんなに楽しいのか。いいなぁ。」とよく思いました。

対して実家は農家で後継息子だし、ずっとこの町で暮らすのかと思うとやるせない気持ちになることも多かったです。

しかし今となれば私はこの町が好きです。穏やかだし、外は静かだし、季節は折々の風景を見せてくれます。都会の人も案外「田舎っていいな〜」と思っているかもしれませんね。隣の芝生は青いとはよく言ったものです。

友達に見られたくない

農作業をしている姿を友人に見られるのだけは気をつけていました。「あ!〇〇のやつ田んぼの作業してるで!」と小言を言われていたらどうしよう……と不安になるのです。

特に中学生の時とかはかなり多感でナイーブな精神状態だったので、土まみれの自分を見せるのにちょっと躊躇している自分がいました。

自分に自信がなかったですし、何か恥ずかしいことをしている気持ちになってたんでしょうね。今は「見てくれ!みんなのために美味しい米を作っているから、秋は楽しみにしておいてくれ!」という気持ちになります。

要するに泥臭い仕事がイヤだったのです!

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とにかくかっこいい仕事に憧れていた私は、デザインの専門学校に行きWebデザインや撮影技法などを学びました。でも付いてくるのはやはり後継問題。

両親だけにとどまらず祖父母にも「後を継いで欲しい」と頼まれました。

私自身、後継自体に関しては心のハードルが低くなっていたので、「継げ!」と言われれば継ぐつもりでした。突っ撥ねる理由もないです。

そんな私に父が放った言葉

「この国が有事で米を食うのが難しくなった時、米農家が三角形のてっぺんになる」

この言葉には「なるほど」と思いました。ファミレスでライスを頼めば必ず日本産のご飯が出てくる、日本の至る所に牛丼屋がある。

なんだかんだ言ってみんな米が好きなのです。「もしかしたら、米産業って一工夫すれば儲かるかもしれない!」と私自身考え始めています。

三十路過ぎた私が言うのもなんですが、農家ってやりがいがある!

子どもの頃あんなに嫌だった田んぼや農家ですが、とれたてのお米は美味しいし、贈り物として送ってあげれば誰だって大喜びします。

毎年の米の等級が決まる際も、いい等級を付けてもらえればすごく嬉しいですし、今思えばビジネスとして成り立つものなんだなと思ったりしています。地域のつながりとも関わりを持てますし、若い世代が農家を継いでいくということは一種の正解なのかもしれません。

もしかしたら実家の地区の若いもん同士が集まって、米農家の会社を設立するという可能性だってありうるのです。まだまだ伸びる産業だと個人的には思います。

自分の事業を継がせるかで悩んでいる親御さんへ

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時期が来たら「継ぐ継がないの問題」を真剣に話すといいと思います。その際、社会経験ゼロの専務みたいな椅子に座っているだけの社員にさせることは避けましょう。

きちんと社会で勉強させることが大切です。

私も今までワンマン企業を何社か見てきましたが、まぁボンボンのやることは一味違うなという感想です。せっかく育てた会社や事業が発言一つでぶっ飛ぶ可能性もあるので、どのポストにつけてどのような役目をおわすかは熟考したほうがいいでしょう。

もし「家を出て働く」と言ったら素直に喜んで羽ばたかせてやろう!

もし「家は継がない!自分のしたいことをする!」と言ったなら、親としては悩みの種にはなるかもしれませんが、それは「子育ての終わり」だと思って素直に喜ぶべきだと思います。

あんなに小さかった子が羽ばたいていくのは大変嬉しいことです。昔のことを思い出すと涙が出そうになりますね。

小学校に入学した長男にすら涙ぐんでた私が「子育ての終わり」を体験しようものなら、プールを用意したほうがいいくらい泣くかもしれません。何にせよ子どもの自主性に任せることが大切だと思います。

都会で上手くいかなかったら帰る場所はあるからな!

もし都会に疲れ果ててしまったら、メンタルが弱ってしまったら「いつでも帰っておいで」という気の持ちようでいいのではないでしょうか。両親はいつになっても両親です。我が子の味方なんです。

この世の中、働き方は多様化しどこにビジネスの種が眠っているかわかりません。極論家でもできる仕事はありますし、ビジネスチャンスは気づいたもの勝ちです。

都会にずっといると田舎育ちの者にとっては息苦しい日々が続きます。そんなセーフティーネットとして実家を活用してもらうのも両親の一つのあり方だと思います。

まとめ

今回は米農家の後継問題から始まり、子どもの頃のことなどに触れてみました。家業を継ぐということは子どもにとっては時に足かせになりかねません。

そうならないようにするためにも「子どもが何をしたいのか」や「何になりたいのか」を汲んであげる環境作りが大切になってくるでしょう。現代農家は労働力不足に悩まされています。

安心して食べ物を作り提供できるようなシステム作りを、農家も国も考えなければいけません。

 

この記事を書いた人

yu_tsukitani