本は読むだけのものではなく、今や「聴く」という分野にまで進出を果たしています。
特に最近は月額制サービス「audible」の登場によって、本を聴くという行為は珍しいものではなくなりつつあるようです。
文字を聴くことに抵抗や偏見はあるかもしれませんが、実際に試してみるとその独特の感覚を楽しむことができるかもしれませんよ。
こちらではそんな「聴くための本」を提供しているサービス「audible」について解説し、おすすめしてみたいと思います。
もし本を読む時間がない、最近ページをめくる手が捗らないといった場合には、この機に耳から味わう新しい読書に挑戦してみてはいかがでしょうか。
audibleについての概要
audibleとは?
audibleとは、本の内容を朗読してくれる音声サービスです。
書かれている文章をそのまま人間の声で表現してくれるため、聴くだけで本を理解できる画期的なものとなっています。
小説や自己啓発本など提供されているジャンルは数多く、国内のものだけでなく洋書にまで手を広げているという徹底っぷり。
あらゆるベストセラー本を耳で楽しむことができるので、本好きは一聴の価値があるサービスだといえるでしょう。
月額でもらえる専用コインを使ってお得に利用できるのが魅力であり、慣れてくれば次々と本を耳からインプットすることが可能です。
日本ではAmazonから登録が行えるので、簡単に利用を始めることができます。
スマホ・タブレット・パソコンといったデバイスから自由に視聴ができるのも特徴で、さまざまなライフスタイルに合わせてボイスブックを楽しめるでしょう。
初回は30日間の無料体験が行えるため、まずは1度audibleをその耳で体感してみるのがおすすめです。
本好きでも楽しめる?
普段から本を読めている人にとっては、audibleは不必要なサービスなのでは?と思われるかもしれません。
しかしaudibleは本好きにも、むしろ本好きにこそ体験してほしいサービスとなっているのです。
「読む」という行為と「聴く」という行為は、本に対するまったく違ったアプローチ方法だといえます。
そのため耳で聴く文章からは、読んだときとは違った感覚の下で言葉を味わうことができるのです。
それはつまりその本をよりよく理解し、新しい発見をするきっかけになってくれるでしょう。
お気に入りの本がある人は、audibleでもう一度その本を聴きなおしてみるのもいいですね。
また耳から入ってくる文章を頭の中で組み立てる作業は、本を読むときの訓練にもなり得ます。
本を読みたいけど上手く集中できないといった人は、まずaudibleで文章に慣れていくのもおすすめです。
私も苦手な本のジャンルがあるのですが、まずaudibleで聴くようにしてみたら、その後本を手に取ったときかなり理解がしやすくなったように感じます。
実際の書籍と関連する部分が多いように思われるので、どんな人にもaudibleはおすすめできるでしょう。
audibleを使う具体的なメリット
移動中も作業中も本を楽しめる
audible最大のメリットは、普通は読めないような場面でも本を楽しめる点です。
例えば移動中や作業中であっても、イヤホンを利用できるタイミングであればaudibleで本を聴くことができます。
より本を身近に感じることになるため、読書家はもちろん最近活字本に手を出し始めた人にもおすすめのサービスです。
スマホのアプリ1つでどこでも音声を再生したり、好きなときに中断したりと使い方は自由自在。
移動や手がふさがる作業が普段から多いのなら、audibleの活躍する場面は増えることでしょう。
音が欲しいときはラジオのようにも使えるので、自宅でaudibleをBGMとして流すことも可能です。
また普段は書籍の方を読みつつ、移動中はaudibleで続きを聴くといった贅沢な使い方もおすすめできます。
このようにあらゆる使い道が想像できることこそ、audibleのメリットであるといえるでしょう。
読みたい本が増えてきて困っているときなどは、audibleの音声を軸に内容をチェックしてみるといいですね。
倍速などの機能が充実!
audibleには聴くことをサポートしてくれるさまざまな機能が備わっているため、より自由なスタイルで本を楽しむことができます。
ダウンロード再生、倍速機能、スリープタイマー、ブックマークなどの多彩な機能によって、本を聴くという習慣にすんなりと馴染むことができるでしょう。
特に倍速機能は魅力的であり、短い時間で本の内容を把握したいときには重宝します。
ある程度読み上げのスピードは調整できるので、まずは自分好みの速さを探してみるといいでしょう。
その他の機能もアプリによる本の視聴を助け、毎日でもaudibleを使いたくなるような環境を作ってくれます。
これまで本の文章を音声で聴いたことがなくても、ストレスなく使い続けられるでしょう。
勉強のためにも使える?
audibleには勉強に使える本もたくさん対応しているので、耳からの学習を行うこともできます。
例えば全編英語で書かれた洋書を利用すれば、効率良く英語を学ぶことができるでしょう。
他にもライフスタイルに関する自己啓発本を聴くことで、セミナーのような感覚を味わいながら書かれている内容を把握できるかもしれません。
音から入ることで書かれている文章が理解しやすくなるということはよくあるため、勉強を捗らせたいときもオーディオブックを活用することがおすすめされます。
作業の片手間に聴くことはもちろん、睡眠学習に導入することも可能なので、日々の勉強がより自由なものとなるでしょう。
何か具体的に勉強の目標があるときは、audibleで役に立つような本がないか探してみるのもいいですね。
audibleで作品を選ぶときのアドバイス
文章を読み上げている声優で選ぶ
人によって聴きやすい声や文章の読み方は変わってくるため、audibleで本を探す際には声優に注目するのが1つのコツとなります。
本のタイトルと作家名だけでなく、オーディオブックを嗜むのなら読み上げている声優の名前もチェックしておきましょう。
実際のナレーションはダウンロードする前にサンプルで確認できるので、まずはそれを聴いて声の感じを確かめてみるのがおすすめです。
気に入ったナレーションが見つかれば、その人を中心に作品を選んでみるのもいいでしょう。
聴くときは倍速するからどんな声でも関係ないと思われるかもしれませんが、長時間の視聴時には声質が意外なほどモチベーションに影響します。
特に小説などの物語を聴く場合、自分の感性に合った声でなければ本来のおもしろさを体験できない可能性もあるでしょう。
本の内容に没頭するためにも、まずは自分の好きな声がどんなものなのか考えてみることをおすすめします。
図やイラストが不要なものを
audibleのようなオーディオブックは、基本的に文章化されているものしか読み上げることができません。
そのため内容を理解するのに図やイラストが必要となる本は、なるべく避ける方がいいでしょう。
図などの視覚データは音声と別で付属されることがあり、それを見て本の記述を把握できるようになってはいます。
しかしいちいち図やイラストをチェックする手間は面倒で、audibleの良さを失くしてしまうことにもなりかねません。
特に家でじっくりと聴く機会がない場合、最初のうちは文章だけで完結している本を選ぶのがおすすめです。
挫折してしまった本に再チャレンジするのもおすすめ
どんな読書家であっても、どうにも読み終えることができなかった本というのは存在することでしょう。
audibleはそういった本に対して、オーディオブックで再チャレンジする良い機会にもなるのです。
イマイチ読書が進まなかった本でも、耳からアプローチをかけるとすんなりと頭に入るということはあり得るでしょう。
中途半端なまま止まっている本があるのなら、ぜひaudibleによる新しい読書を試してみることをおすすめします。
特に最初のうちは、audibleに慣れるためにも多少なりとも知っている本を選ぶのがポイントです。
1度全体を聴いて内容をある程度把握しておけば、以前よりも読みやすくなる可能性もあるでしょう。
audibleを利用してから書籍を読み直すというスタイルが自分に合うのかどうか、この機に実践して確かめてみてはいかがですか。
どんどん聴き流していくのがコツ
audibleは通常の本とは違い、じっくりと聴き込むよりもさらっと流していくような姿勢がコツとなります。
1行1行を大切に吟味するのではなく、どんどん次の展開に移行していくのがオーディオブックを楽しむ基本となるでしょう。
1冊の視聴時間はかなり長いため、あまりゆっくりしているとこれまでの内容が曖昧になったり、聴き続けるモチベーションが低下したりするかもしれません。
そのためわずかな時間を使って集中するよりも、聴き流すくらいがちょうどいいといえるでしょう。
2018年現在audibleでは20万冊以上の本を聴けるとのことなので、聴き流していくような使い方でないと多くの作品を楽しめなくなってしまいます。
色々な本を聴き流して経験していくことが、さらに深い読書につながるかもしれませんよ。
audibleで聴けるおすすめの作品!
君の名は/新海 誠
私が聴いたなかでもダントツで没頭できたのが、大ヒット映画の小説版「君の名は」です。
元々映画が好きだったからということもあるのでしょうが、オーディオブックでも何の違和感もなく作品の世界に入りこむことができました。
アニメ映画の原作であるからか、すごく音声による表現と相性が良いように思えるので、これからaudibleを聴き始める人にはぜひおすすめしたいです。
ナレーションを担当している朴 璐美さんの声も聴きやすく、長時間の視聴も問題なく可能です。
映画の物語を補完するような内容となっているので、「君の名は」という作品を深く知るきっかけにもなるでしょう。
そもそも映画を見たことがない人はまず映画を楽しんでから、そのうえでaudible版を聴いてみてください。
- 作者: 新海誠
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/08/26
- メディア: Audible版
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有頂天家族/森見 登美彦
個人的にとっても大好きな作家である森見 登美彦先生の「有頂天家族」も、audibleにはうってつけの作品となっています。
たぬきを主人公とした破天荒な物語である本作は、森見節といえる文章ではもちろんのこと、それを音声化したオーディオブックでも楽しめる名作です。
その不可思議な世界が声によってさらに深く表現されているように思えるので、ファンはもちろん森見作品の良さを知りたい人にもおすすめできます。
独特の言い回しや言葉遣いが有頂天家族の特徴ですが、それはナレーションが主体でもまったく色あせることなく楽しむことができるでしょう。
むしろ改めて音として内容をチェックしてみると、作品のイメージが変わるかもしれませんよ。
ちなみにこちらの作品も、アニメとして放送がされていました。
そっちもいい味を出しているので、この機に視聴してみることをおすすめします。
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: Audible Studios/幻冬舎
- 発売日: 2018/08/26
- メディア: Audible版
- この商品を含むブログを見る
ドグラ・マグラ/夢野 久作
果たしてこの本をおすすめしていいのだろうか、正直そんな不安もありますが、私は好きなので「ドグラ・マグラ」もこちらに記載しておきます。
いわゆる日本三大奇書の1冊であるドグラ・マグラは、その難解さから多くの人に挫折を味あわせてきた書籍でしょう。
たしかに展開が予想しづらいので、中盤に達せないまま本を閉じてしまった人も珍しくはないかもしれません。
しかしそんな本だからこそ、audibleの音声として楽しんでみることがおすすめされるのです。
耳から想像することでシーンの情景は理解しやすくなり、キャラクターの心理や考えを予想する余裕を持つことができます。
それはドグラ・マグラのような複雑さを売りにした小説をスムーズに楽しむ、1つのきっかけになってくれるでしょう。
元々ホラー的な要素を含む本作ですが、読むのではなく聴くことでその雰囲気はより高まり、ところどころでゾクッとさせてくれるのも魅力。
間違いなく好みが別れる作品でしょうが、少しでも気になったならぜひ1度トライしてみてください。
しかしこちらのオーディオブックは全部で21時間以上の大作となっているため、私もまだ最後まで聴くことができていません。
かなりの長期戦が求められるので、間に別の作品を挟みながら気長に楽しんでいくといいでしょう。
- 作者: 夢野久作
- 出版社/メーカー: Audible Studios
- 発売日: 2018/08/26
- メディア: Audible版
- この商品を含むブログを見る
こころ/夏目漱石
夏目漱石の代表作「心」の英語版「Kokoro」も、audibleでおすすめしてみたい作品の1つです。
ネイティブな声で進行する物語は英語の学習に最適で、聴きながら耳を慣らしていくことができます。
かなり本格的な英語で話されているため最初は戸惑うかもしれませんが、その分段々と聴き取れるようになっていくのが快感となるでしょう。
洋書の音声に関してはただBGMとして流しておくだけでなく、原作の本を手にしながらじっくりと聴き入ってみるのもおすすめです。
夏目漱石の言葉がどのような英語に翻訳されているのか、そしてそれはどのように発音されているのかを解析していくことで、より作品の芯に迫ることができます。
これまでに「心」を読んだことがある人も、この機にaudibleによって再現された「Kokoro」もチェックしてみてはいかがでしょうか。
- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: パンローリング株式会社
- 発売日: 2015/06/11
- メディア: Audible版
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まとめ
audibleは、これからの発展が注目されるオーディオブックサービスです。
まだ本を聴くという行為は特殊なものとなっていますが、audibleの活躍によっては今後当たり前のものになっていくかもしれません。
読書好きはもちろん、読書にハマれなかった人も、ぜひ1度audibleの無料体験でその音を耳にしてみてください。
もしかしたらaudibleが、あなたにとって最適な読書の形になるかもしれませんよ。