アライ ツアークロス3レビュー|2018年の使用感と2026年の選び方

アライ ツアークロス3 デツアーを、2018年夏の北海道ツーリングで2週間使いました。結論からいうと、当時ジェットヘルメットを長く使っていた僕にも、視界、フィット感、バイザー、ベンチレーションの良さを実感しやすいヘルメットでした。

ただし、これは2018年にレビューの仕事で入手した個体についての体験です。2026年8月22日現在、アライの現行ラインアップに載る同系統モデルはツアークロスVです。古いツアークロス3を今から選ぶ場合は、見た目や中古価格より、使用開始時期、衝撃歴、国内仕様、サイズ適合を先に確認してください。

2018年に北海道ツーリングで使用したアライ ツアークロス3 デツアー レッド
2018年に使用したツアークロス3 デツアー。現在の購入判断とは分けて振り返ります

この記事では、当時の主観的な使用感と、2026年に確認したアライ公式情報を明確に分けます。安全装具なので、サイズ、手入れ、部品、継続使用の最終判断は、個体の取扱説明書とアライ正規取扱店の案内を優先してください。

ツアークロス3は2026年にどう見るべきか

最初に、古い体験談と現在の製品情報を切り分けます。ツアークロス3は、今も公式の取扱説明書や部品ページを確認できますが、2026年の現行製品として案内されているのはツアークロスVです。

現行ラインアップはツアークロスV

アライの2026年製品カタログ現在のオフロード製品一覧には、ツアークロスVが掲載されています。ツアークロス3は、少なくともこの現行ラインアップには載っていません。

したがって、ツアークロス3を「今も新品で普通に選べる現行モデル」として紹介するのは不正確です。一方、公式に生産終了日を確認できなかったため、この記事では終了時期を断定しません。

ツアークロス3の公式情報は今も確認できる

ツアークロス3の旧製品仕様ページには、モデル名、規格、サイズ、シールド、内装、デツアーの部品情報が残っています。また、公式取扱説明書もダウンロードできます。

これは使い方や適合部品を確認する重要な資料ですが、旧ページに表示される価格を2026年の新品価格と考えたり、ページがあることだけで新品在庫を期待したりしないでください。

中古のツアークロス3を選ぶ前の確認

中古品では、外観がきれいでも、いつ使い始めたか、着用中に衝撃を受けたか、ライナーやあご紐がどう保管されたかを確認できないことがあります。アライは使用開始から3年を買い替えの目安とし、着用中に衝撃を受けたヘルメットの継続使用を認めていません。

さらに、アライは海外通販やフリマ、オークションでの模倣品に注意を促し、日本国内向けのPSC・SGマークと国内仕様を確認するよう案内しています。出所や履歴を確認できない個体は、安さだけで選ばないのが安全です。

2018年レビューの条件

ここからは、2018年の個人的な体験です。2026年の現行製品の仕様や、すべての人に共通する性能評価ではありません。

デツアー レッドとレビュー品の開封

アライ ツアークロス3 デツアー レッドの外観
アドベンチャーバイクに合わせて選んだデツアー レッド
ツアークロス3 デツアー レッドのグラフィック
デツアーはツアークロス3のグラフィックモデルでした

レビューしたのはツアークロス3 デツアーのレッドです。公式の旧製品・部品ページでも「デツアー赤」を確認できます。僕は愛車との色合わせにひかれ、Mサイズを選びました。

この個体は、2018年にレビューの仕事で入手したものです。提供元までは元記事に記録していないため、メーカー提供とは表現しません。

ツアークロス3 デツアーの開封時の内容
開封時に確認したヘルメット、収納袋、説明書
開封直後のツアークロス3 デツアー レッド
開封直後のデツアー レッド

ジェットヘルメット中心だった筆者の前提

当時は免許取得から15年ほどで、そのうち約14年はジェットヘルメットを中心に使っていました。締め付けが苦手で、旅先の景色を広く見たいと思っていたからです。

2018年の東京モーターサイクルショーでツアークロス3を試着し、視界と被り心地に好印象を持ちました。その後、夏の北海道を含む2週間のツーリングで使ったのが、以下のレビュー条件です。

北海道ツーリングで感じたこと

比較対象は、それまで使っていた僕のジェットヘルメットです。頭の形、車種、スクリーン、姿勢、速度、天候で感じ方は変わります。

視界とバイザー

最初に印象的だったのは、チンガード付きの形でも視界を狭く感じにくかったことです。ジェットヘルメットから替えた直後でも、北海道の景色を楽しみにくいとは感じませんでした。

ツアークロス3のシールドロック部分
ツアークロス3のシールドロック。無理に開かず、取扱説明書の解除手順に従います

上部のバイザーは、低い角度から差す日光を遮る場面で役立ちました。ただし、日差しの角度やバイザー位置によって効果は変わります。まぶしさを完全に防ぐ装備ではありません。

ツアークロス3上部のバイザー
日差しを遮る場面があった上部バイザー

フィット感と風切り音

見た目は大きく感じましたが、頭全体と頬で支えられる感覚があり、被ると重さを意識しにくくなりました。2週間の走行で局所的な痛みが出なかったことも、僕には好印象でした。

風切り音も、それまでのジェットヘルメットより少なく感じました。ただし、これは同一条件で測定した数値ではありません。バイクのスクリーン、姿勢、速度、耳栓の有無でも大きく変わるため、「無音」や「誰でも静か」とは評価しません。

ベンチレーションと真夏の暑さ

口元と頭部のベンチレーションは、開閉による空気の変化を感じられました。外側と内側のシャッターを組み合わせ、口元への導風とシールド側へのデフロストを切り替える構造も取扱説明書に記載されています。

ツアークロス3の口元ベンチレーション
口元のベンチレーション
ツアークロス3の頭部ベンチレーション
頭部のベンチレーション

一方、2018年7月の本州では暑さが厳しく、快適とはいえませんでした。ベンチレーションがあっても熱中症対策の代わりにはなりません。走行中に手を離す操作は避け、必要な調整は安全な場所に停車してから行います。

駐車時の保管は先に考える

バイザーとチンガードがあるため、以前のジェットヘルメットと同じ保管方法は使いにくく感じました。車種のホルダーやケース寸法を事前に確認し、帽体、ダクト、シールド、あご紐へ無理な力をかけない方法を選びます。

アライは、ミラーへ掛けると衝撃吸収ライナーが変形するおそれがあること、隙間のない収納ケースではダクトを傷めるおそれがあることを案内しています。駐車時も不安定な場所を避け、走行時に車体へ吊り下げたままにしないでください。

ツアークロス3の公式仕様と使い分け

スネル・JIS、シールド、サイズ

アライの旧仕様ページで確認できるツアークロス3は、PB-cLc帽体、スネル・JIS規格、TXピンロックブローシールド、FCSシステム内装を採用し、サイズは54、55-56、57-58、59-60、61-62です。

古い在庫や中古品では、同じモデル名でも製造時期、国内外仕様、装着部品が異なる可能性があります。帽体内側の表示と取扱説明書を実物で照合してください。

3つのスタイルは取扱説明書どおりに

公式取扱説明書には、シールドとバイザーを付けるデュアルパーパス仕様、バイザーのみのオフロード仕様、シールドと別売TXホルダーを使う仕様が掲載されています。

取り付け順、Uリング、ワッシャー、ネジ、ホルダーには向きや適合があります。見た目が似た部品で代用せず、個体の取扱説明書に示された純正適合部品を使い、装着後にガタつきやロックを確認します。

サイズ選びとフィッティング

頭囲だけで決めず必ず試着する

僕は2018年に頭囲を測って通販でMサイズを選び、結果的に大きな痛みは出ませんでした。しかし、これは安全な買い方の一般解ではありません。

アライのFAQは、頭囲表示を目安とし、店頭で試着して適正サイズを選ぶよう案内しています。前後左右に頭を動かしたときにヘルメットが遅れず追従し、全体が均一に接し、局所的な痛みや大きなぶれがないことを確認します。

内装調整は適合部品と専門店で

ツアークロス3には厚みの異なるシステム内装やシステムパッドの公式設定があります。ただし、交換できる枠や厚みはサイズごとに決まっています。

自分で衝撃吸収ライナーを削って合わせてはいけません。痛みや緩さがある場合は、アライ・テクニカルプロショップや講習会修了店へ相談し、適合部品とフィッティングで調整します。

インカムやカメラを付ける前の安全確認

2018年にはインカムとGoProを取り付けて走りましたが、当時の取り付け方法を、すべての個体やアクセサリーに通用する手順としては残しません。

インカムは圧迫と加工を避ける

インカムは、ヘルメットとインカム双方の適合・取付説明を確認します。スピーカーや配線が耳、頬、あご紐を圧迫したり、脱着時に引っ掛かったりする状態は避けてください。帽体や衝撃吸収ライナーへ穴を開けたり、削ったりしてスペースを作るのは厳禁です。

取り付け後は、ヘルメットの追従、あご紐、周囲音、シールド、ベンチレーションを再確認します。機種選びは、別記事のバイク用インカムの選び方で公式仕様を整理しています。

アクションカメラは一律に取り付け可能とはいえない

粘着ベースが付いたという2018年の経験だけで、安全性や脱落防止を保証することはできません。カメラ、アーム、接着材は重量と突起を増やし、視界、首の動き、シールド、バイザー、ダクトへ干渉する可能性があります。

ヘルメット本体を加工せず、各メーカーの注意事項を確認し、判断できない場合はアライとアクセサリーメーカーへ相談してください。走行中にカメラやインカムを操作せず、安全な場所へ停車してから設定します。

シールドと内装の手入れ

元記事の「簡単だった」という感想は残しますが、作業手順は記憶ではなく公式取扱説明書を基準にします。

シールドとバイザーの脱着

ツアークロス3は側面のTXネジを外してシールドとバイザーを脱着します。公式取扱説明書は500円硬貨を推奨し、左右のネジを交互にバランスよく緩めること、Uリングやワッシャーの向きを守ることを案内しています。

ツアークロス3側面のシールドとバイザー固定ネジ
側面の固定部。現在作業するなら公式取扱説明書の順序を優先します
ツアークロス3から取り外したシールドとバイザー
取り外したシールドとバイザー
ツアークロス3のシールドとバイザーを水で洗う様子
2018年の洗浄時。洗剤や拭き方は部品ごとの公式指示に従います

再装着後は全ネジ、シールドロック、開閉、バイザー角度を確認します。無理にこじったり、ネジ山がかみ合わないまま締めたりしないでください。

内装は部品ごとの洗い方と乾燥温度を守る

「内装は全部洗濯機で洗える」という理解は誤りです。公式取扱説明書では、システムパッド本体はデリケートな素材なのでやさしく手洗いし、取り外したパッドカバーは洗濯ネットを使って洗濯機で洗える、と部品を分けています。

ツアークロス3の取り外し可能な内装固定部
内装の固定部。強く引かず、説明書の順序で外します
ツアークロス3から取り外したシステム内装とパッド
取り外した内装とパッドは、部品ごとに洗い方が異なります

ヘルメットや内装を50℃以上にさらすと、素材が変形・変質するおそれがあります。ドライヤー、ヒーター、高温になる乾燥機を使わず、洗浄後は形を整えて風通しのよい日陰で十分に乾かします。

継続使用と買い替えの判断

使用開始から3年は買い替え目安

アライは、SGマークの被害者救済制度の有効期限を根拠に、ヘルメットの使用開始から3年を目安として買い替えを推奨しています。これは「3年までは無条件に安全」という保証ではありません。

2018年から同じ個体を使い続けているなら、2026年時点ではこの目安を大きく超えています。思い出や外観のきれいさとは分けて、乗車用としての更新を検討すべき段階です。

衝撃、あご紐、内装、ライナーを確認する

転倒などで着用中に衝撃を受けた場合は、外側に大きな傷がなくても継続使用しません。アライへ検査を依頼するか、新しいヘルメットへ交換します。

3年未満でも、内装のへたり、あご紐のほつれ、衝撃吸収ライナーの熱変形などで適正に装着できない場合は交換の目安です。あご紐はDリングへ正しく通し、毎回確実に締めます。

部品掲載と修理可能は同じではない

アライのツアークロス3部品ページには、シールド、バイザー、内装、パッドなどが掲載されています。ただし、FAQは内装を「在庫がある限り」とし、修理は対象モデルに限るとしています。

必要な部品がページに見えても、在庫や修理受付を推測せず、最新の修理案内と正規取扱店で確認してください。交換部品で使用期限や衝撃歴がリセットされるわけでもありません。

現行ツアークロスVとの違い

ツアークロス3から買い替える場合、同じブランド名だけで同じ被り心地と考えないことが大切です。

VAS-Aと、より滑らかな帽体形状

ツアークロスVの公式ページは、シールド・バイザー取付部をツアークロス3より低く配置し、滑らかな帽体面積を広げたと説明しています。VはVAS-A MVシールドを採用し、シールドを外す、またはバイザーを外すことで3つのスタイルへ変更できます。

また、専用のインターコムスピーカーポケットと、頭周り・頬部を調整する厚み違いの内装が案内されています。ツアークロス3の部品とは別系統なので、流用できると推測しないでください。

現行価格と正規店での購入

2026年8月22日に確認したメーカー希望小売価格は、ツアークロスVのソリッドが税込71,500円、グラフィックが税込81,400円です。価格、色、納期は変わるため、注文時に公式ページと販売店で再確認してください。

サイズ表記がツアークロス3と近くても、内装構成や感じ方は同じとは限りません。正規取扱店で実物を試着し、頭を動かしたときの追従、局所的な圧迫、頬の保持、メガネやインカムとの干渉まで確認するのが確実です。

ツアークロス3レビューのまとめ

2018年の僕にとって、ツアークロス3 デツアーは、ジェットヘルメット中心だった先入観を変えた一着でした。北海道ツーリングでは、広く感じる視界、自然なフィット、風切り音の少なさ、バイザーとベンチレーションが特に好印象でした。

一方、2026年に読むなら、当時の高評価と現在の購入判断は分ける必要があります。現行ラインアップはツアークロスVで、ツアークロス3は旧仕様・取扱説明書・部品情報を確認するモデルです。

今も所有しているなら、使用開始から3年の目安、衝撃歴、あご紐、内装、ライナー、部品と修理可否を確認する。これから買うなら、正規店で現行モデルを試着する。安全装具としては、この順番が価格やデザインより先です。

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sasu-rider

エスプロマガジン編集部。暮らしと仕事に役立つ情報を、わかりやすくお届けします。

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