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エネファームの価格が高い、費用対効果が低くて初期費用が回収できない場合も

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光熱費を削減できるとして徐々に注目が集まってきている「エネファーム」。環境にも優しいことから、国を挙げてPRされていますが、私たち消費者にとっては何より光熱費が気になるところです。

導入するには多大な費用がかかってしまいますが、その費用を回収できるほどに光熱費を削減できるのか、費用対効果はどの程度のものなのでしょうか。

ここでは、エネファームの概要をまずご説明し、その上で本体の価格相場や補助制度、費用対効果、そして最後にメリット・デメリットについてお話いたします。

エネファームとは

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エネファームとは、「エネルギー」と「ファーム(農場)」の2つの言葉が合わさった造語で、ガスを使って電気とお湯を同時に作り出すシステムです。

現在供給されている電気のほとんどは、火力発電所や電気力発電所などで生み出されています。たとえば火力発電所では石油や石炭、天然ガスなどを燃やして電気を作り出していますが、排熱された分は捨てられ、電気自体も家庭に供給される過程でロスが生まれます。

また、どのような発電所であってもCO2が多量に排出され、私たちの生活に必須な電気は、使えば使うほどに環境を破壊していると言っても過言ではないのです。

こういった電気・熱のロスを防ぎ、CO2の削減が期待できるものとして開発されたのがエネファームです。エネファームでは自宅だけで電気も熱も使用するのでロスがほとんどなく、さらに従来の給湯暖房システム+火力発電と比較して、CO2が約30~50%削減できるとされています。

電気や熱を効率的に使用できる、環境に優しいという地球規模でのメリットだけでなく、私たち消費者にとっても電気料金を減らせるなど様々なメリットがあります。

その一方で、初期費用がかかるといったデメリットも存在します。(メリット・デメリットについては後述)

導入における価格相場

エネファームは国がPRして普及に取り組んでいますが、無料で提供されるわけではありません。補助制度はあるものの、導入するには多大な費用がかかってしまいます。

現在、パナソニックとアイシン精機が販売を手掛け、それぞれの会社によって価格が多少異なるほか、機種や販売グループによっても異なりますが、初期費用は大体140万円~200万円の幅に収まります。

セールをしている時に140万円くらいになることがあり、通常では160〜200万円といった感じで、その時々で価格が変動します。また、エネファームの導入にあたって国の補助制度を利用でき、3~24万円の範囲で負担してもらえます。

エネファームの補助制度

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エネファームの補助制度は、経済産業省が委託した一般社団法人 燃料電池普及促進協会(FCA)が運営しています。国の補助制度のほかにも、一部の自治体で独自の補助・支援制度が用意されています。

国の補助制度と併用できる自治体の補助制度については「こちら」で確認頂くとして、ここではFCAによる補助制度についてご紹介します。(2018年度)

まず前提として、現行のエネファームには「固体高分子(PEFC)」と「固体酸化物形(SOFC)」の2つの種類があり、種類によって基準などが異なってきます。

  • 固体高分子燃料電池(PEFC)…電解質材料にイオン交換膜を使用したもの
  • 固体酸化物形(SOFC)…電解質材料にジルコニア系セラミックスなどを使用したもの

 

基準価格以下

基準価格を下回り裾切価格以下

裾切価格を上回る

PEFC

6万円

3万円

補助対象外

SOFC

12万円

6万円

※PEFCの基準価格は96万円、裾切価格は111万円

※SOFCの基準価格は134万円、裾切価格は146万円

 

基準価格と裾切価格は、いずれも補助金額を決めるボーダーのようなもので、PEFCの本体価格が96万円以下なら6万円、96〜111万円なら3万円の補助金が支給される、111万円以上なら補助されないといった感じになります。

また、追加補助も用意されていて、以下に挙げる項目に該当する場合には、それぞれに対して3万円の補助金を受け取ることができます。

追加補助

(各3万円)

  •    既存の住宅にエネファームを導入する場合
  •    導入するエネファームの燃料がLPガスに対応している場合
  •    導入するエネファームが寒冷地仕様である場合
  •    エネファームの設置場所がマンションである場合

つまり、この補助制度を利用すれば3万円から24万円の範囲で節約できるというわけです。ただし、上で挙げた補助金額や対象は2018年のもので、予算の都合などで変更になる場合があります。

補助制度の応募要件

エネファームを導入する全ての人が応募できるわけではありません。いくつか要件が定められ、全ての要件を満たした場合にのみ応募可能がです。要件には以下があります。

  • 申請者は燃料電池システムを購入し、実際に使用する方またはリース等により提供を行う方であること。
  • 設置予定の燃料電池システムが、「FCAが指定した燃料電池システム(補助対象システム)」であること。
  • 補助事業完了報告書および添付書類の提出は、機器費等の支払いを済ませた上、補助事業完了報告書締切日までに行うこと。
  • 「補助対象システム」を、6年間以上継続して使用できること。
  • 国からの他の補助金等と重複して補助を受けない(受けていない)こと。
  • 住所が確認できる書類を含め、所定の書類を提出すること。
  • FCAへ補助対象システムの設置等に関する情報提供に同意できること。
  • 個人(個人事業主を除く)が申請する場合、排出削減事業への参加を表明できること。

応募についての詳細は、FCAの「スケジュール/応募要件」でご確認ください。

エネファームの費用対効果

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エネファームを導入するにあたって、工事費用を含め140万円~200万円かかってきます。補助制度を利用すれば3~24万円を負担してもらえ、自治体の補助制度を併用できる場合もありますが、それらを利用して費用を削減しても安くて100万円は必要になってきます。

エネファームのPRの中で、消費者に対して大きなメリットとして挙げられているのが「年間の光熱費が削減できる」ということですが、果たしてどのくらいの費用対効果があり、初期費用は何年くらいで回収できるのでしょうか。

まず大阪ガスでは、アイシン精機のエネファームtype Sを導入した場合、1戸建て4人家族を想定した年間のランキングコストが従来システムよりも、約11,3万円お得になると試算しています。

また、東京ガスや西部ガスでは、およそ同様の構成で年間光熱費が5〜6万円削減できると試算しています。

これほどお得になるかは家庭によって大きく異なってきますが、性能の面からみて普通に利用すれば光熱費を削減できることは間違いありません。

しかし、たとえ年間11万円ほど節約できたとしても初期費用を回収するまで9〜10年の月日を要します。これが長いとみるかは人それぞれですが、導入する際には得をするまで長い目で見る必要があるということを肝に銘じておきましょう。

状況によっては節約できない場合もある

ただし、状況によっては必ず節約できるというわけではありません。その要因となるのが「使用頻度」です。

エネファームは、お湯を使えば使うほど発電する仕組みになっています。そのため「お風呂は追い炊きする」「短いシャワーで済ませる」「お湯よりも水を使うことが多い」というような場合、エネファームの機能を十分に活用できず、電気代をうまく節約できません。

反対に「毎回お風呂を沸かして入る」「お湯を高頻度に使う」という場合には、エネファームにおける電気量削減の恩恵を強く受けることができます。

また、使用頻度に関連する事項として「家族構成」も大切です。お湯を使えば使うほど恩恵を受けられるので、家族が多い方が節約効果は高まります。最低でも4人以上のご家庭で利用価値があると考えておきましょう。

導入するメリット

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エネファームの大きなメリットが光熱費の削減になりますが、どのくらい節約できるかは家庭によって大きく異なります。場合によっては導入前よりもコストがかかることだってありえます。

この点、導入にあたって不安がつきまといますが、メリットは光熱費の削減だけではありません。ほかにも「環境に優しい」「停電時に自家発電できる」というメリットも存在します。

損得にばかり目がいきがちですが、地球規模からみても非常に優れたものですし、個人としても災害対策として利用していけます。損得勘定は二の次として、地球環境や災害対策を優先して導入するのが賢い利用方法と言えるでしょう。

環境に優しい

一般の家庭だと、電気は発電所から送られます。また、お湯は給湯器で沸かすことになりますが、この従来システムと比較した場合、エネファームを導入することでCO2が約30~50%削減できるとされています。

また、発電所でつくられた電気が家庭に送られる際にロスが生じ、有限である資源を捨てていることになります。しかし、エネファームは自家発電なので、有限資源を無駄なく利用できます。

環境への配慮のために、車(ハイブリッドカー)をはじめとする様々な取り組みが行われていますが、その中でもエネファームの実力は圧倒的で、低炭素社会の実現に大きく貢献しているのです。

停電時に自家発電できる

日本は自然災害が非常に多い国です。台風や地震などの自然災害で停電になることが珍しくありません。停電になると生活に大きな支障をきたしてしまいますが、エネファームが導入されていれば、停電中でも自家発電によって電気を確保することができます。

最長で8日間(停電前の発電開始から192時間)の発電が可能となっているので、万が一の時でも安心です。断水時において貯湯タンク内のお湯(水)を使うこともできます。

ただし、電気が使えるのはエネファームが停電時にも発電している場合に限ります。さらに、発電出力以上の電気製品を使用した場合、貯湯タンクが満タンになった場合などには、発電運転が停止してしまう恐れがあります。

停電時にも電気が使えるというのは非常に大きなメリットですが、使い方によっては有効活用できない場合もあるので、説明書をしっかり読んでおくようにしましょう。

導入するデメリット

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このような環境保全や災害対策におけるメリットがある一方で、「設置スペースが必要」「寿命が短い」などのデメリットも存在します。導入をご検討の方は、デメリットもしっかりと考慮しておきましょう。

設置スペースが必要

エネファームの大きさは大体1.5畳ほどです。意外に大きく、設置するためのスペースを確保しなければなりません。

設置する場所は戸建てなら1階の屋外がベストですが、集合住宅で隣家との距離が狭いなどの理由で、スペースを確保するのが難しい場合が多くあります。

また、敷地が広くても植木がある場合には抜木・移植する必要が出てくるなど、思い通りの場所に設置できないケースがありますし、通路が狭くなるなどの問題が出てくる可能性もあります。

寿命が短い

エネファームの保証期間は通常10年で、この期間における点検・修理などのメンテナンスにかかる費用は無償のことが多いです。

しかし、点検・修理を行ったとしても、寿命は20年程度といわれています。場合によって保証期間の翌年(11年目)に故障してしまうことだってありえます。

エネファームの初期費用を回収するためには、早くても10年くらいはかかってしまうので、これを考慮すると損をしてしまう可能性が十分にあります。

まとめ

エネファームを導入するためには、国や自治体の補助制度を利用したとしても100万円ほどかかってきます。それでいて1年で削減できる光熱費は通常で5〜6万円ほど、最大でも10万円ほど。

加えて寿命もあるので、費用対効果はあまり期待できません。むしろ損をしてしまう可能性も十分に考えられます。

しかし、Co2の削減や資源の有効活用といった環境保全に大きな力を発揮し、さらに災害などで停電になった場合でも電気を使うことができます。

温暖化は地球規模で問題視されていますし、日本は非常に災害の多い国なので、お金のことは二の次とし、環境や停電対策を優先的に考えて、エネファームの導入を検討するのがよいのではないでしょうか。

この記事を書いた人

YEN
これまでにフランス6か月、タイ6か月、カンボジア1年6か月と色々な国に滞在した経験がある、海外が大好きなYENです。TOEICスコアは960点(第229回/2018年4月8日)。豊富な知識と経験から、読んでタメになる情報をお届けできればと思っております!!
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