こんにちわ、財布を持たないツーリングに憧れる、キャッシュレス推進派のさすライダーです。
だって、現金って面倒なんですよね、、、100円玉が必要な時に無かったり、お札が足りない時に限ってATMが無かったり、そもそも財布自体が荷物だし、小銭が増えると重いし、、、おまけに雨に濡れるとお札は濡れるし、うっかり落として無くしてしまうこともあります。
なので、僕は可能な限りツーリング中は(普段も)現金を使わず、iPhoneのみで感覚的には全体の60パーセントはキャッシュレスで賄っています。
最近、ようやく日本政府が重い腰をあげて、いよいよキャッシュレス時代へと舵を切り始めてくれたので、僕としては嬉しい限りです(増税の苦肉の策とも言われていますが)
ということで、今回の記事では、なぜ時代は現金よりもキャッシュレスなのか?どんな電子マネーがiPhoneで使えるのか?について解説していきます。
※この記事は様々なキャッシュレスの仕組みの中でも、iPhoneで使える電子マネーにフォーカスした記事です。
日本は先進国の中のキャッシュレス後進国
日本は紛れもなく、世界では「先進国」に分類される近代的な国家です。
「先進」という名が付くからには、常に最先端のサービスが使われるべきはずなのですが、実は日本は先進国の中の「キャッシュレス後進国」です。
最新のデータでは、、、なんと、お隣の中国では約60パーセント、アメリカでは約50パーセントに達している消費に対するキャッシュレス比率が、、、日本は「たったの20パーセント」しかありません(しかも、最近ようやく達成した数字です)
これは、先進国としては普通に危惧すべき数字なのですが、これまで特に目立ったキャッシュレス化への動きはなく、最近ようやく政府が「2020年までにキャッシュレス比率を、今の倍の40パーセントまで持っていく」という方針を固めました。
キャッシュレス化へのきっかけの一つは「外国人観光客の増加」
日本が「現金決済主義ではいけない」と気づき始めたのは、外国人観光客の急激な増加による「キャッシュレス対応への要望」です。
テレビやニュースで連日報道されているように、今、日本は観光大国として外国人観光客をめちゃめちゃ誘致しています。
その数はまさにうなぎ上りで、2017年には2869万人もの外国人観光客が日本を訪れており、2018年は恐らく既に3000万人を超える外国人観光客が来たと思われます。
これは、日本の人口の約1/4にあたる数の外国人観光客が日本に来たということで、その経済効果は計り知れないものがあります。
しかし、その勢いを殺しかねない不安要素が「現金決済主義」です。
ご存知の通り、日本に一番多く訪れているのは中国人観光客ですが、その中国の主流な決済方法は現金ではなく、アリペイ(QRコード・バーコード決済)に代表される電子マネーです。
中国人に関わらず、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、北欧(世界屈指のキャッシュレスエリア)つまり世界の主要エリアでは、既にキャシュレス決済が現金決済を上回る勢いです。
なので、その外国人観光客が日本に来ると「なんだ、現金しか使えないのかよ、、、」となるわけです。
そもそも、現金は両替する必要があるので、そこが面倒だったりしますが、例えばカード決済なら日本円を持っていないくても全く問題がありません。
このように、一気に増えた外国人観光客の「キャッシュレス化への要望」が高まったことが、日本がキャッシュレス化へと踏み切る大きな要因の一つとなりました。
キャッシュレス化へのもう一つのきっかけは「少子高齢化による人手不足」
日本は今、世界屈指の少子高齢化社会になりつつあります。
この「少子高齢化問題」自体は、かなり前から危惧されていましたが、最近特に目立っているのが「人手不足」です。
テレビやニュースなどでも連日報道されていて、それこそ外国人を観光客としてはではなく、労働力として呼び込もうという動きも活発です。
なんせ、生まれてくる子供の絶対数が少ないので、相対的に若者の数が減り、人手不足になるのは必然なのです。
しかし、そこで注目されているのが「キャシュレス化」で、例えば小売店でキャシュレス化を進めれば、レジの人員を削減することも可能ですし、売上金の計算の手間なども減るので、結果として少ない人数で短時間で業務を回すことができます。
さらには、AIやロボット技術を組み合わせれば、アメリカのレジ無し無人コンビニ「Amazon GO」のような店舗を作ることだって可能です(つまり人出が不要)
つまり、キャッシュレス化を進めるということは、人手不足という日本の課題を解決する術でもあるのです。
キャッシュレス化によるメリット
キャッシュレス化の最大のメリットは、ズバリ現金を持ち歩かずに済むことです。
そもそも持ち歩かないので、落とすこともなく、会計の度に小銭を取り出すことも、お釣を貰うことも不要です。
手元に1万円という物理的な紙幣がなくても、簡単に1万円の決済が可能ですし、細かい金額でも一瞬で決済が終わります。
現金は、例えば出費を管理しようとすれば、お小遣い帳をつけるなどの手間が必要ですが、これが電子マネーであれば、決済履歴をいつでも参照する事が出来ます。
よく、キャッシュレス化はいいけど、スマートフォン(電子マネー)を落としたらどうするの?と不安を煽る人がいますが、、、そもそも現金だって落としますよね(笑)
というより、スマホを落とす確率よりも、現金を落とす確率の方がはるかに高いですし、仮にスマホは落としても、大抵すぐに気が付きます(100円を落してもすぐには気が付かない)
さらに、万が一落した事に気が付かなくても、電子マネーには何らかのロック機能が備わっています。
反対に、現金は拾えば誰でもすぐに使えてしまいます、、、結局、何が言いたいのかと言えば、現金よりも電子マネーの方がはるかに安全です。
そして、使う側以上にメリットがあるのが店舗側で、前述のようにキャッシュレス化を進める事で人件費を削減できますし、売上金の計算は何もしなくても自動的に終わっています(履歴の合計を見ればいいだけ)
さらには現金を盗まれる危険性も無くなりますし、それこそ外国人観光客にアピールできます。
もちろん、キャッシュレス決済は店舗側に手数料が発生しますが、キャッシュレス化で削減できる人件費や経費、手間を考えれば余裕で元が取れますし、そもそも僕もそうですが、キャッシュレス決済が出来るなら、ちょっといい物を買おうかなという意思が働きますので、結果として売り上げは伸びる傾向にあります。
例えば、現金の場合は、今5000円持っているとしたら、最大5000円のものまでしか購入することが出来ません。
日本におけるスマートフォンの電子マネー事情について
一般的にキャッシュレス決済といえば、クレジットカードか電子マネーが最も多い決済方法ですが、特に日本では、ここ数年スマートフォンによる電子マネーの普及が著しいです。
これは、2016年に「iPhoneがおサイフケータイに対応したこと」が大きく影響しており、特に「suicaがiPhoneで使えるようになった」のは最も大きな要因です。
日本は世界トップレベルでiPhoneのシェア率が高い国ですが、長年「おサイフケータイ」が使えないということが唯一のネックでした。
国産のAndroid端末では、おサイフケータイは当たり前のように搭載されている機能でしたが、やはり普及率の問題からすると「iPhoneがおサイフケータイに対応したこと」がスマートフォンを用いた電子マネーの普及を加速させたと言えます。
Felica(おサイフケータイ)とNFCとiPhoneの関係
おサイフケータイを語る上で、かざすだけで通信(決済)できる技術の「FelicaとNFC」の話は避けて通る事が出来ません。
まず、日本でかざすだけで決済出来る(電子マネー)おサイフケータイとは「Felica」のことを指します。
「Felica」とは「Felicity(至福)」と「Card」と合わせた造語で「ソニーが作った日本独自の規格」です。
対して「NFC」とは「Near Field Communication」の略で「近距離無線通信」などと呼ばれており、こちらは「世界共通規格」です。
どちらも、だいたい10cm程の距離のデバイス間の無線通信を可能にする技術で、電子マネーの他には会社のセキュリティロックなどでも使われている技術です。
実は「Felica」はもともと「NFC」の一部として誕生しましたが、その後独自の進化を遂げ、結果として両者は別物として扱われるようになりました。
「Felica」の最大の特徴は、NFCを含めた他の無線通信技術よりも、通信速度が圧倒的に早いことで、これは毎朝の通勤ラッシュ時に「suica決済でもたつかないように」という日本ならではの思惑が反映された結果と言われています(諸説あります)
そして現在、日本独自の電子マネー規格には、例外なく「Felica」が採用されています。
対して、世界のスマートフォンを用いた電子マネーには「NFC」が採用されており、これもまた日本のモバイル業界のガラパゴス化と言えます。
なので、国産Android端末ではおサイフケータイが使えるけど、海外Android端末ではおサイフケータイが使えないという事実は、国産Android端末には「Felica」が搭載されているけど、海外Android端末には「NFC」が搭載されているから、という理由なのです。
しかし、そんな日本独自規格の「Felica」を、あの俺様アップル様が、まさかの「日本独自仕様のiPhoneとして、iPhone7から導入した」のです(海外で販売されているiPhoneには「Felica」ではなく「NFC」が搭載されています)
Apple PayとGoogle Payの日本での対応について
iPhoneの電子マネー決済機能「Apple Pay」とAndroidの電子マネー決済機能「Google Pay」は、実は日本でサービスインする前から海外ではサービスが始まっていました。
なぜ、日本での導入が遅れたかと言えば、それはもちろん「両決済サービスは国際基準のNFCに対応していた」からです。
要は、スマートフォンにNFCと両者の決済アプリが入っていても、それを機能させる受け皿が日本は「Felica」なので、結果として利用できない機能であったという事になります
事実、Apple Payが使えるのは「Felica」を搭載している「iPhone7以降のiPhone」Google Payが使えるのは「Felica」を搭載しているAndroid端末のみとなっています。
「QRコード・バーコード決済」は規格に左右されない優秀な決済方法
中国では今、QRコード・バーコード決済の「アリペイ」を筆頭に、ものすごい勢いでキャッシュレス化が進んでいます(既に日本のキャッシュレス比率を抜いています)
アリペイに代表される「QRコード・バーコード決済」とは、消費者側のスマートフォンに表示されたQRコードやバーコードを店舗側でピッと読み込む、または店舗側で表示されたQRコードやバーコードを消費者側のスマートフォンでピッと読み込むことで決済が出来るシステムです。
つまり、スマートフォンを決済端末にかざす必要がなく「FelicaやNFCに依存しない」決済方法です。
日本でも「LINE Pay・Origami・PayPay」に代表される「QRコード・バーコード決済アプリ」が徐々に増えていて「Felica」が搭載されていない「iPhone6」でも使える電子マネーとして、最近人気が高まっています。
iPhoneで使えるおすすめの電子マネー6選
2018年12月現在、iPhoneで実際に使用可能なオススメの電子マネーを6個ピックアップして紹介していきます。
これ無しでは結構辛いインフラ的存在「suica」:iPhone7以降
説明不要の電子マネー「suica」は、JR東日本が開発したキャッシュレス決済規格です。
電車に乗る際に、いちいち切符を買う必要がなく、改札口をスマートに通過できる電子マネーとして、もはや無いと辛いインフラとも言うべき存在です。
バスやタクシーなど、他の交通機関でも採用率が高く、大手スーパーやコンビニなどの小売店でも「suica」を使うことが出来ます。
これが「iPhone7」から使えるようになった事で、一気に電子マネー普及を促進しました。
使い勝手の良い電子マネー「QUICPay / QUICPayプラス」:iPhone7以降
「クイックペ〜イ」という決済音が気持ちいい、JCBとイオンクレジットが共同で開発した電子マネーです。
事前のチャージが必須だった他の電子マネーとは異なり、チャージ不要の電子マネーとして、使い勝手が非常に良い事が受け入れられました。
電子マネーが使えるほとんどの店舗で利用が可能で、Apple Payに対応してからは更に普及が加速しています(QUICPay / QUICPayプラス共に対応しています)
僕も日常生活のほとんどは「QUICPay」のみで過ごしています。
ドコモが作った電子マネー「ID」:iPhone7以降
「QUICPay」と並んで普及率が高いメジャーな電子マネーです。
実は「QUICPay」の開発に関わっていたドコモが、その後離脱して独自の電子マネーとして「ID」を開発したという歴史があります(つまり両者は基本設計が似ています)
そのため「QUICPay」が使える店舗では、ほぼ「ID」も使える事が多く、どちらか一方が使える状態であれば、日常ではほぼ問題ありません。
LINEが作ったQRコード・バーコード決済アプリ「LINE Pay」
今や世界中にユーザーがいる「LINE」ですが、そのアプリの中にはQRコード・バーコード決済機能を備えた「LINE Pay」の機能も含まれています。
サービス開始当初は、プリペイド型の物理カード決済が主流でしたが、その後はQRコード・バーコード決済が主流になり、結構な頻度で行われる「ポイント高還元キャンペーン」によって一躍有名なQRコード・バーコード決済型電子マネーとして普及するに至りました。
もちろん「Felica」を搭載していない「iPhone6」でも「LINE Pay」は使えます。
インストールしているだけで色々とお得「Origami」
「Origmi」は、その名も「株式会社 Origami」が開発した、QRコード・バーコード決済型の電子マネーです。
利用登録が非常に簡単で、決済スピードも早く、使える店舗も続々と増えている将来有望な電子マネーで、利用拡大のために様々なキャンペーンを行なっています。
結構な頻度で割引クーポンが付与されたり、吉野家で毎回会計が190円引き(2018年12月時点のキャンペーン)になったりと、インストールしているだけで色々とお得な電子マネーです。
物議を醸し出した話題の電子マネー「PayPay」
ソフトバンクが開発した「PayPay」は「100億円あげちゃうキャンペーン」というキャッチーなキャンペーンで、一躍有名になったQRコード・バーコード決済型の電子マネーです。
「PayPay」で買い物をすると、驚きの20パーセント分が後日還元されるというキャンペーンは、予想をはるかに上回る反響があり、都内の家電量販店では一時高額商品の品切れが発生したほどです。
しかし、その後、、、登録に使うクレジットカードの不正利用の問題など、主にセキュリティ面での脆弱性が指摘され、色々と物議を醸し出す結果となってしまいましたが、、、知名度と言う意味ではこれほどインパクトのある電子マネーは過去にないと言えます。
iPhoneで使える電子マネー事情の解説 まとめ
時代は完全に「キャッシュレス」です。
電子マネーに対して「なんとなく怖い、使い方が難しそう」と思っている人は、まずは騙されたと思って一度使ってみて下さい。
きっと、今までなんで現金ばかり使っていたんだろう?と思うはずです。
個人の利便性という意味でも、外国人観光客の誘致や少子高齢化に対応する術としても、キャッシュレス化は今日本に最も必要な事柄のひとつなのです。